<カーリング>3連勝のカー娘 快進撃のヒミツ

2018年2月17日

デンマーク戦の第8エンド、ショットを放つ藤沢(中)と吉田夕(左)、鈴木=田中久雄撮影

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 <倉本憲男EYE>日本女子は開幕から3連勝と、絶好のスタートを切った。準決勝進出への勝敗ラインは、バンクーバー五輪が6勝3敗、ソチが5勝4敗。仮に今回が6勝だとすると、残り6戦を五分でいければ、初の4強入りが濃厚になる。ただ、今後は世界ランク上位国が相手になる。私も現地入りしているが、選手たちに油断はない。

 好調には2つの要因がある。一つは、彼女たちが早くからアイスリーディングの技術を磨いてきたことだ。カーリングは対戦相手とともに、氷と戦う競技。特に専用のカーリング施設ではなく、今回のように多くの観客が入る場所をカーリングができるようにした臨時の施設の場合、観客が入ることによる湿度、温度の変化で氷の状態が刻一刻と微妙に変化し続ける。日本は多くの海外遠征でさまざまな氷を体験し、その対応力を身に付けてきた。さらに、本場のカナダからメーカー関係者を日本に呼び、氷を仕上げる技術を学んだ。こうした努力が生きているようだ。

 もう一つの要因は、チームコーチの小野寺コーチ、そしてカナダ人のリンドコーチとのコミュニケーションだ。特にリンドコーチへの信頼感はものすごく強く、カーリングの本場で得た彼の経験がチームに100%いきわたっているように思える。選手が抱える疑問への回答をすべて彼が持っているので、選手は不安なくプレーに専念できている。メンタルが大切な競技だけに、これは大きい。

 今大会はソチで予選全勝、そのまま金メダルを獲得したカナダが連敗スタートするなど混戦模様。日本は16日は試合がないが、17日は中国、OARと2試合。その後も強豪国と対戦が続くが、序盤の3連勝は気持ちのゆとりとなるだろう。選手たちの体調もいい。4強入りだけでなく、その先も楽しみになってきた。 (日本カーリング協会事務局長・倉本憲男)

中スポ 東京中日スポーツ

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