アルペンシア・ジャンプセンターで男子ラージヒル（ヒルサイズ＝ＨＳ１４２メートル）の予選があり、日本勢はノーマルヒルで７位入賞した小林陵侑（２１）＝土屋ホーム）が最長不倒の１４３・５メートルを飛び、１２７・６点で３位となるなど、４人全員が１７日の本戦に進んだ。葛西紀明（４５）＝土屋ホーム＝は１２２・５メートル、１０４・２点の２２位、竹内択（３０）＝北野建設＝は１２０・５メートル、９８・５点の２７位、小林潤志郎（２６）＝雪印メグミルク＝は１１５メートル、８９・５点の３７位でそれぞれ突破した。

　上位進出の期待も高まる飛躍だ。ジャンプ男子ラージヒル予選で、今大会に入って波に乗る２１歳の小林陵はヒルサイズを１・５メートル越え、日本勢トップの３位で本戦に進んだ。

　タイミング良く踏み切ると、安定した空中姿勢で飛距離を伸ばした。後半になっても落ちず「下の風に乗れて、楽しかった」。右手で拳を握り、所属先の監督を兼任する葛西から禁止されているというガッツポーズまで、思わず飛び出した。

　今季の序盤は苦しんだ。ワールドカップ（Ｗ杯）では予選落ちも２度あった。しかし、「シーズンを通してアプローチに気をつけてやってきた」と徐々に助走路の滑りを改善。尻上がりに調子を上げ、初の五輪に合わせた。

　予選１、２位の選手より１・３５メートル高い位置からスタートしており、飛距離だけで喜ぶわけにはいかない。それでも、ノーマルヒルで７位入賞した勢いを持続しているようだ。「チャンスはある。自分のジャンプができるように頑張ります」。調子づいたジャンパーの挑戦が楽しみになってきた。　（共同）