伊藤「どうせ飛ぶなら世界一」 故郷が育んだ挑む心

2018年2月12日

公式練習を終えジャンプ台を見つめる伊藤有希=潟沼義樹撮影

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 「どうせ飛ぶなら世界一」。12日に行われるノルディックスキー・ジャンプ女子に出場する伊藤有希(土屋ホーム)は、故郷の北海道下川町が掲げる標語がお気に入りだ。町内にはジャンプ台が四つあり、ここで練習を積んだ子どもたちの中からは、五輪メダリストも生まれた。そんな「ジャンプの町」に誇りを持つ23歳。次は自分が「世界一」に挑戦する。

 同町中心地にほど近い小高い山には、65メートルから数メートルまで四つの高さのジャンプ台が並ぶ。「下川ジャンプ少年団」の一員だった伊藤も4歳のとき、一番低い台を飛んだ。伊藤の父で、少年団のジャンプ指導にあたる克彦さん(51)によると、古くから町民らが各地で雪を削った手作りの台でジャンプを楽しんでいた。

 町が1967年にジャンプ台を整備。10年間に計4台が並んだ。98年長野五輪団体金メダルの岡部孝信さん(47)、前回ソチ五輪銀メダルの葛西紀明(45)もここで育った。

 いつしか標語もできた。「言葉の意味も分からない時期から見て育った。何事に対しても覚悟を決められる言葉で、すごく好き」と伊藤。初めての五輪だった前回ソチ大会は7位入賞。平昌では、町の先輩たちに続く活躍を誓う。 (上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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