沙羅、ソチの雪辱へ 今夜決戦「金メダルを勝ち取りたい」

2018年2月12日

公式練習で調整する高梨沙羅=平昌で(潟沼義樹撮影)

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 悲願の金メダルを狙う高梨沙羅(21)=クラレ=が11日、本番前の最後の公式練習を平昌のアルペンシア・ジャンプセンターで行い、1回目で103・5メートルを飛び、W杯総合首位で金メダルの本命に挙げられるマーレン・ルンビ(ノルウェー)らを抑え、トップの得点をマークした。一転して2回目は4位。ルンビも転倒するなど、決戦を前に波乱のムードが漂ってきた。

 2本のジャンプを飛び、高梨は最終決戦への準備を整えた。1回目は103・5メートルを飛び、現地入り後初めてルンビを上回り、トップの得点をマークした。2回目も105・5メートルと上々の内容。体調管理を優先し、3回目は飛ばず、そのままコメントは残さず、会場を後にした。

 ただ、この日は本番を翌日に控え、なんとも言えない波乱のムードが漂っていた。金メダル大本命ルンビは2回目でこの日の最長となる111メートルの大ジャンプを見せたが、着地直後に転倒。すぐに立ち上がり、手を上げ無事をアピール、大事には至らなかったが…。

 また、4年前のソチ五輪女王のフォクト(ドイツ)が10日の練習まで低調だったものの、この日は急上昇。1回目で103メートル、2回目は109メートルの大ジャンプを披露し、ともに3位に食い込んだ。ソチ五輪でもそれまでW杯0勝ながら、金メダルをかっさらっていき、昨季の世界選手権でも優勝。ここ1番で驚異的な勝負強さを誇る女王が、不気味な気配を漂わせると、17歳の新鋭、クリジュナル(スロベニア)が1回目で109メートル、2回目は110メートルのビッグジャンプを連発。ベテランと新鋭の突然の台頭に、沙羅の2回目は4位だった。

 10日に行われた男子ノーマルヒルで、男子ジャンパーを苦しめた気まぐれな強風と、極寒という2つの要素もある。

 涙の4位に終わったソチ五輪から4年。「あの悔しさを糧に、この4年間、ここで金メダルを取るためにやってきた。勝ち取りたい」。ライバルも、そして自然条件、そして弱かった4年前の自分。すべてを打ち破って、沙羅が頂点へと飛ぶ。 (大上謙吾)

中スポ 東京中日スポーツ

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