葛西21位「かみ合わない」 男子ノーマルヒル

2018年2月11日

 104・5メートルを飛んだ1回目のジャンプ。「緊張のあまり、失敗した」。2回目も99メートルで21位。「2回目も失敗した。テイクオフが安定せず、不安もあってかみ合わない」と苦笑いするしかなかった。

 酸いも甘いも知り尽くした五輪。8度目となる今大会を待ち望んだ一方で、平昌入り後は平常心でいられない自分がいた。7日の公式練習は体が硬くなり、失敗ジャンプを重ねた。予選をなんとか突破した後、冬季史上最多出場という記録に「そいつが邪魔をしていた。ぼくにプレッシャーをかけていた」と冗談交じりに矛先を向ける。

 ベテランをも包む五輪の緊張感。ただ周りが見えなくなることはなかった。8日の予選。冷え込みが厳しい夜のジャンプ台で、初五輪の小林潤志郎と陵侑の兄弟が黙々と足早にリフトに向かう姿を見かけ、「緊張している?」と声をかけた。あまり早くスタート台に上がっても体が冷えるだけ。日本男子ジャンプ陣の最年長としてチーム全体に目を向ける。

 次は個人と団体のいずれもラージヒルだ。葛西はジャンプ台が大きいほど実力を発揮する。前回ソチ大会はラージヒル個人で銀、団体もラージヒルで銅メダルを手にした。目標とする金メダルへ。その道のりはまだ続く。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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