<アンニョン> ピンバッジ
2018年2月10日世界女王の首元が早くも開幕前に輝いていた。スピードスケート女子の小平奈緒選手(相沢病院)は日本選手団主将で金メダルの有力候補。重圧と戦う日々の息抜きになっているのが、ピンバッジの交換だ。
韓国入り翌日の五日。「選手村で米国と台湾の選手と交換しました。これから集めていきたい」とIDカードの首ひもに付けた二つのバッジを見せてくれた。
バッジは日本オリンピック委員会(JOC)から各選手に三種類十数個配布されている。小平選手は500メートルで地元のヒロイン李相花(イサンファ)選手としのぎを削っており、韓国で知名度抜群。ボランティアから「相花のライバルでしょ」とにこやかに声をかけられるという。
きっとバッジは各国の選手、ボランティア、メディアから引っ張りだこなのだろう。七日の取材時に首元を見ると、十二個に増えていた。「顔を覚えてもらっているのはうれしい。韓国語も覚えて、国際親善に努めたい」と目標を掲げる。
私はバッジがなく、交換の機会がないのが残念。でも五輪を楽しむ主将を見習って、「アンニョンハセヨ(こんにちは)」のあいさつから外国人と親善しよう。
(原田遼)
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平昌五輪を取材している記者たちが街の雰囲気や裏話を伝えます。