堀島、本気スイッチ 乱れた中盤「練り直す」

2018年2月10日

男子モーグル予選でコブを攻める堀島行真=潟沼義樹撮影

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 メダル候補に挙がる堀島は予選を5位で通過し、12日の決勝に一発で駒を進めた。「ひるまずに自分のベストを」と心に刻んで挑んだ自身初の五輪。それでも観客の声援と、選手が滑るたびに拍手に包まれる五輪独特の雰囲気には、「やっぱり緊張した。朝から緊張していた」と初々しく笑った。

 抽選の結果、5番スタート。前走者が少ないためコース状況が整地された状態に近い好条件だった。第1エア(空中技)は、決勝で想定する大技より難易度をひとつ落としたフルツイスト(伸身後方1回宙返り1回ひねり)。スピードを殺さず、最も長い斜面のミドルセクションでさらに加速した。

 ただ、コーク720(体を斜めに2回ひねり)に挑んだ第2エアの直前、ターンが乱れた。「そこが難しくて失敗した」と堀島。とがった形状が特徴的なコブの連続はミドルセクション後半で間隔が狭まり、リズムが変わりやすい。城勇太コーチも「いろいろなコブが作られている。堀島はスピードを出す選手なのでその対応がやはり難しい」。

 圧倒的な滑りで首位通過した最大の難敵、ミカエル・キングズベリー(カナダ)と同じエアの構成で挑み、エアでは0・82点差。23秒95の好タイムだったスピードも0・10点差となった。だがターンで4・8点差も開き、3要素の合計で首位とは5・72点差。予選の得点は決勝に持ち越さないものの、その数字が絶対王者との差を物語る。「6点差もある。練り直さないと」。目標の頂点へ、堀島の目がさらに本気になった。

 (上條憲也)

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中日新聞 東京新聞

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