モーグル男女3人予選突破 原6位「超うれしかった」

2018年2月10日

男子モーグル予選で滑走を終え、笑顔を見せる原大智=潟沼義樹撮影

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 予選1回目が行われ、男子は昨季の世界選手権を制して初出場の堀島行真(中京大)が80・35点の5位、原大智(日大)は80・01点の6位で12日の決勝に駒を進めた。女子唯一の日本勢、村田愛里咲(行学学園教)は74・13点の9位で11日の決勝に進んだ。

 男子の遠藤尚(忍建設)は13位、西伸幸(マンマーノフーズ)は16位で12日の予選2回目に回った。

 予選は2度実施され、1回目は10位までが決勝に進む。2回目は女子が11日、男子が12日にそれぞれの決勝に先立って行われ、残る10枠を争う。 (共同)

 予選1番スタートを切った原は、ゴールの瞬間、右手でガッツポーズ。自身初の五輪でほぼミスなく会心の滑りを披露し、予選6位通過を決めた。「超うれしかった。完走できてうれしい」と何度も喜びを表した。

 苦悩との戦いだった。同世代の堀島らとワールドカップ(W杯)を転戦していた昨季。納得の滑りができても審判の目とズレが生じるようになり、「そこから歯車が狂ったように落ちていった」と振り返る。迫力あるターンが強みに対し、もともとエアは得意ではないが、エアの採点で上位と大きく離されるようになり「頭が真っ白になった」。

 苦しみながら、夏場もエアを中心に練習を重ねた。だが、今季もなかなか結果に結びつかない。五輪前の7戦は2桁順位が6度。先月、五輪代表入りが決まった会見後の廊下の片隅。「うれしくない。もっと成績を出してから五輪に行きたかった」とつぶやいた。

 ただ五輪の舞台はやはり特別だ。前日の公式練習後、「これ以上落ちることはない」と開き直った。五輪前に変えたエアも好調だ。宙を舞いながら板を手でつかむ「グラブ」を入れ難易度を上げることで、予選はエアの得点だけみれば、首位ミカエル・キングズベリー(カナダ)に次ぐ2位だった。

 東京都渋谷区で育ち、小学4年で競技を始めた。中学卒業後は本場カナダで単身修業しながら滑りを磨いてきた20歳。大舞台を経験し「人生、ここにかけてきたんだなと思った」。挑戦者が大きく躍動した。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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