緊張の堀島、王者と6点差 男子モーグル予選

2018年2月9日

男子モーグル予選でエアを決める堀島行真=潟沼義樹撮影

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 小学生でモーグルを始めて以来、ずっと目標にしてきた五輪の舞台。男子で5番スタートの堀島が、緊張感を漂わせながら一気に滑りだす。最初のトップセクションから危なげなく滑り、中盤でターンが少し乱れたが、23秒95の好タイムで完走。「やっぱり緊張した。第2エアの前の斜面が少し難しく、そこで失敗してしまった」と苦笑いを浮かべながら、まずは一歩を踏み出した。

 昨年3月の世界選手権で非五輪種目のデュアルモーグルと合わせて2冠を達成。それまでワールドカップ(W杯)未勝利ながら、一躍五輪の金メダル候補に躍り出た。だが逆に重圧となり、気持ちは時に空回り。「良いところを見せたい」と勢い余って滑りが暴走した試合もある。

 今季のW杯も序盤はなかなか成績が出ず、口にしたのは「そんなに甘くはない」。それでも諦めずに練習を繰り返した。その成果は確実に形となる。昨季からW杯13連勝中だった絶対王者のミカエル・キングズベリー(カナダ)を、五輪前最後の実戦となる1月のW杯で止めた。

 得意のエア(空中技)は、まだ予選とあって決勝で使う想定の大技ではない。第1エアはフルツイスト(伸身後方宙返り1回ひねり)。それは「気持ちを楽に。でも抑えすぎずに」という自分なりの落ちつけ方だ。

 圧巻の滑りで86・07点を出して首位通過したキングズベリーとは約6点差の予選5位。「差があるんだな。帰って練り直さないと」。目標の金メダルに向かい、「こういう舞台で成績を出すことは難しい。でもそこで勝てる選手になりたい」。次はさらにギアを上げる。

 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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