堀島、打倒キングズベリー 絶対王者狩りへ「点差埋める」

2018年2月9日

練習で調整する堀島行真(共同)

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 フリースタイルスキーのモーグル男女日本代表が8日、公式練習に臨んだ。9日の予選を前に、昨季の世界選手権王者で金メダル候補の堀島行真(20)=中京大=は、傾斜のきついコースのこぶの感触とエア(空中技)の踏み切りを入念に確認。絶対王者と呼ばれるミカエル・キングズベリー(カナダ)撃破に向けて、「強い気持ちを持って臨みたい」と意気込んだ。

 「絶対王者」狩りへ、細部にまで注意を行き渡らせた。練習時間終了間際、堀島は最後の滑走で一つ一つのこぶやエア台の感触を確かめながら、ゆっくりと滑り降りてきた。「しっかりどういうところが僕の引っかかっているところか、把握するためにちょっと見てきました」。白い息を吐きながら、9日の予選に向けて思いを巡らせた。

 昨季の世界選手権でキングズベリーを撃破し、一躍平昌五輪の金メダル候補に名乗りを上げた。今季はその重圧に苦しんでいたが、1月の五輪前最後のワールドカップ(W杯)では、13連勝中だったキングズベリーを止め、W杯初優勝。金メダルに届く力があることを改めて見せつけた。その、ここ一番での果敢な滑りは、海外では「ドラゴンスレイヤー(竜殺し)」の異名を持つ。

 ただ、本人はまだキングズベリーとの差があることを認める。「さっきビデオも見たけど、エアではミック(キングズベリー)と比較すると、何点かの差が生まれるのが見えてくる。その差を埋めるためにどうすればいいか、残りの時間でしっかりやっていきたい」と、引き締まった表情で話した。

 夢にまで見た五輪の舞台。選手村では、スマートフォンで各国のバッジを集めるアプリが流行しているが、実直な20歳は「僕は全然集まってない。しっかり試合に集中します」と笑った。日本男子モーグル初の金メダルへ、若き「侍モーグラー」の全身全霊を込めたアタックがいよいよ始まる。 (大上謙吾)

◆海外メディアも注目

 世界選手権王者の堀島と、今季のW杯6勝のキングズベリー(カナダ)の対決には海外メディアも注目している。堀島はこの日、カナダのテレビ局のインタビューに応じ「もちろん(キングズベリーは)強い選手だが、気持ちで負けないように金メダルを目指す」と宣言した。

 テレビ局は堀島を、今季のW杯で開幕7連勝を狙ったキングズベリーを止めた選手として紹介。五輪前最後のW杯で勝利した堀島は「勝てたことはうれしいし、次も勝ちにいく」と述べた。 (共同)

中スポ 東京中日スポーツ

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