沙羅、ルンビに肉薄 上昇気流だ「最後に勝ちきる」

2018年2月9日

公式練習を終え笑顔を見せる高梨沙羅(潟沼義樹撮影)

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 ノルディックスキー・ジャンプ女子は本番会場(ヒルサイズ=HS109メートル)で初の公式練習を行い、日本のエース高梨沙羅(21)=クラレ=は99メートル、105メートル、106メートルを飛び、得点はそれぞれ4位、2位、2位と上々の出来だった。伊藤有希(23)=土屋ホーム=は100・5メートルを飛んだ1回目が3位。2回目は94・5メートルで7位、3回目は101メートルで6位。W杯で今季10戦7勝のマーレン・ルンビ(ノルウェー)が3回ともトップの得点をマークした。ジャンプ女子は予選なしで12日に行われる。

 小さな体で力強く踏み切り、最後にフワッと飛距離を伸ばしていく。4年ぶりに帰ってきた夢舞台。ようやく本来のジャンプを取り戻した高梨の姿が、そこにあった。

 「少しずつこのジャンプ台に合わせられている感覚はある。今日はいいスタートが切れて安心した」。白い息を弾ませながら答える表情には、充実の笑みが浮かんだ。

 1回目は99メートルで飛型点抜きのポイントで全体の4番手だったが、2本目は105メートル、3回目は106メートルで、ルンビ(2、3回目とも105・5メートル)とほぼ同等の距離を飛び2番手につけた。今季ここまで助走や踏み切りに苦しみ、W杯10戦未勝利、昨季最終戦から11戦連続V逸の屈辱を味わった。「自分のふがいなさに悔しさがこみ上げることもあった」。ルンビに2本合計の飛距離換算で約22メートルの大差をつけられた試合もあったが、五輪に合わせるように、一気に調子を上げてきた。

 12日の決戦まであと4日。「目指してきたのは金メダル。最後に勝ちきれるように高めていきたい」。つぶらな瞳に強い光が戻ってきた。 (大上謙吾)

中スポ 東京中日スポーツ

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