葛西、前人未到8度目の挑戦 日本勢4人がNH本戦へ

2018年2月9日

男子ノーマルヒル予選 葛西紀明の飛躍=8日、平昌で(潟沼義樹撮影)

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 【平昌=共同】平昌冬季五輪は8日、開幕に先立って一部競技が始まり、ノルディックスキー・ジャンプ男子ノーマルヒル予選で、冬季五輪史上最多の8度目の出場となる葛西紀明(土屋ホーム)をはじめ、小林潤志郎(雪印メグミルク)と小林陵侑(土屋ホーム)の兄弟、伊東大貴(雪印メグミルク)の4人は日本勢の1番手として登場し、そろって10日の本戦に進出した。

 日本が出場しないカーリングの新種目、混合ダブルスは1次リーグがスタートした。

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 男子ノーマルヒル(ヒルサイズ=HS109メートル)予選が行われ、日本勢は冬季五輪史上最多8度目の出場を果たした45歳の葛西紀明が98メートルの117.7点で20位となるなど、4人全員が10日の本戦へ進んだ。

 小林潤志郎は101メートルの118.4点で18位、小林陵侑は21位、伊東大貴は31位で通過した。 (共同)

◆「重圧あった」「焦った」

 助走路を低い体勢で滑り出した葛西が、踏み切り台を力強く飛び出す。広げた両手のひらで風をつかみながら空を舞い98メートルで着地すると、両腕を横にしたまま心地良さそうに滑り抜けた。いてつく空気に包まれた会場に、ふっと安堵(あんど)の白い息が漏れた。

 日本勢2番手の20位で本戦進出を決めた。取材エリアで最初に出た言葉は「予選、通ったっけ?」。それは緊張の表れ。前回銀メダルを手にしたソチ五輪以降、目標を金メダルに定め、楽しみにしてきた舞台。やはり五輪は特別だ。「予選を通るかな、とか、8回目の五輪出場を達成できるかなとか、そういう重圧があった」。ジャンプスーツのチャックを閉め忘れたままの飛躍だった。飛び終わった後、小林陵に指摘されて気付いたといい、「焦った。風の抵抗で5メートルくらい伸びなかった」とおどけた。

 予選メンバー入りを決めた前日7日。自由参加だった日中のジャンプ練習には加わらず、夜の公式練習の3本だけを飛んだ。一発勝負に挑むのは、飛ぶと「頭が疲れる」から。考えることが時にストレスになる。体への負担も考慮しながら、合わせてきた。この日も試技から予選の計2回でピタリと照準を合わせ「僕に合った流れだった」。

 1994年リレハンメル大会の団体で銀、前回ソチ大会はラージヒルで銀、団体で銅のメダルを手にした。9日の開会式では旗手を務める。「楽しみ。いろんな選手に会ってパワーを交換しながら分かち合いたい」。45歳のジャンパーが残すは金メダル。8度目の五輪が、ついに始まった。 (平昌・上條憲也)

◆緊張せず力出せれば

<小林陵侑の話> まずまずのジャンプができたので、修正点をしっかり直せるように頑張る。初めての五輪なので、緊張せずに自分の力が出せればいいかなと思う。 (共同)

◆できることやるだけ

<伊東大貴の話> 緊張した。(決勝は)できることをやるだけ。後悔のないように出し切ってやりたい。安定して飛ぶために集中したい。 (共同)

中日新聞 東京新聞

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