羽ばたけ長野っ子 渡部兄弟や竹内選手ら

2018年2月8日

W杯複合個人の前半飛躍を終え、声援に応える渡部暁斗選手=3日、長野県白馬村で

写真

 【平昌(ピョンチャン)=鈴鹿雄大】一九九八年の長野冬季五輪から二十年。当時、日本勢の勇姿に心を躍らせた地元の子どもたちはいま、夢をかなえ、極寒の平昌の地に立つ。憧れた選手たちの後に続こうと、八日に一部競技が始まる五輪でメダル獲得を目指す。

 ノルディックスキー複合の渡部暁斗選手(29)は、弟善斗選手(26)=いずれも北野建設=と一緒に、地元の長野県白馬村であったジャンプ団体競技を観戦し、「日の丸飛行隊」の活躍を目の当たりにした。

 「地響きのような歓声が響く会場、抱き合って喜ぶ選手たちを覚えている」

 直後にジャンプを始め、高校時代に複合に転向。二〇一四年のソチ冬季五輪では銀メダルを獲得した。昨秋の公開練習では「かっこよいスキーができるようになってきた。子どもたちに憧れてもらえる選手になってきたかな」。

 本番を前に、調子は上向きで、今月上旬に白馬村内であったワールドカップ(W杯)では、優勝と三位に輝いた。

 長野県飯山市出身のノルディックスキー男子ジャンプ竹内択選手(30)=北野建設=もジャンプ団体の活躍で競技に目覚めた。その年の春には地元少年団の門をたたき、今大会で三度目の五輪出場となる。

 二十年前と比べ、子どもたちの競技人口は減ったと感じる。「平昌でメダルを取るだけでなく、その後にどんな活動をするかも大事。ジャンプをする子たちを増やしたい」と話す。

 「感動が私を成長させてくれた」。スピードスケート女子の小平奈緒選手(31)=長野県茅野市出身、相沢病院=は振り返る。長野五輪で悲願のメダルを掲げた清水宏保さん、岡崎朋美さんに憧れた。

 あの冬の清水さんらと同じように、メダルの筆頭候補に名前が挙がる。「二人が見た景色を見たい」

 <長野冬季五輪> 1998年2月7〜22日、長野県内で7競技68種目が実施された。72カ国・地域の約3500人の選手や役員が参加した。日本はスキー・ジャンプのラージヒル団体(岡部孝信、斎藤浩哉、原田雅彦、船木和喜の4選手)、スピードスケート男子500メートルの清水宏保選手らが金メダルに輝き、冬季五輪最多の計10個のメダルを獲得した。地元の小中学校が参加国・地域を学校ごとに応援する「一校一国運動」を展開、その後の五輪でも継承されている。

写真
中日新聞 東京新聞

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索