勝負ヘルメット多彩 葛西は伝説の「朱雀」

2018年2月8日

朱雀(すざく)の図柄が左右に描かれた葛西紀明選手のヘルメット=平昌で(潟沼義樹撮影)

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 【平昌(ピョンチャン)=上條憲也、鈴鹿雄大】平昌冬季五輪にメダルを懸けて臨むノルディックスキー・ジャンプなどの日本勢の個性的なヘルメットが注目を集めている。自らを奮い立たせ、競技への注目度を高めようという思いがこもったヘルメットと共に、男子ジャンプ陣は開幕前日の8日から、ノーマルヒル予選で登場する。

自動車レースで主流のデザインを模した小林潤志郎選手のヘルメット

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 45歳の葛西紀明選手(土屋ホーム)は8度目の五輪。長女璃乃(りの)ちゃん(2つ)が生まれてからは初となる。古代中国の神獣の1つ、朱雀(すざく)の図柄をこれまでの1体から左右1体ずつに増やした。

 初出場の小林潤志郎選手(雪印メグミルク)と陵侑(りょうゆう)選手(土屋ホーム)の兄弟は共に、高速の争いが繰り広げられる自動車レースのヘルメットデザインを模して、スピード感を表現するラインをあしらった。部分的に金箔を施しつつ、塗装技術で軽量化を図っている。

 ジャンプ陣の塗装を手掛けたのは、神奈川県綾瀬市に工房を構える「ウッドアイデザイン」代表の木目田(きめだ)豊さん。葛西選手の「スキー界をオシャレに」の思いを受け、2006年トリノ五輪前から彩る。今回は12日に試合のある女子の伊藤有希選手(土屋ホーム)ら男女計6人分を手掛けた。

 木目田さんは選手と会話を重ね、「その人の性格を反映したデザインにする」。伊藤選手用の星の図柄は、昨季までよりも星の角度を鋭くした。「負けず嫌いのところを表した。本人が気持ち良く飛んでくれたらうれしい」

星の図柄があしらわれた伊藤有希選手のヘルメット

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 10日に初戦を迎えるアイスホッケー女子の守護神、GK藤本那菜選手(ボルテックス札幌)は、目標に掲げる「メダル獲得」への強い思いから、初めて自身専用のヘルメットをデザインした。「梅、松、日の丸など縁起の良さそうなものを詰め込んだ」と藤本選手。専門の業者がデザインを基にペイントし、水墨画風のタッチで日本らしさを表した。

中日新聞 東京新聞

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