45歳葛西、いざ8度目 新たな伝説へ

2018年2月8日

葛西紀明の公式練習2回目の飛躍=平昌で(潟沼義樹撮影)

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 男子ノーマルヒル(ヒルサイズ=HS109メートル)の2回目の公式練習が7日夜に行われ、葛西紀明ら日本代表の5選手が参加、それぞれ3回飛んだ。この日実施された2度の公式練習の結果により、ノーマルヒルの出場選手が葛西ら4人に決定。竹内択(北野建設)が外れた。

 葛西は平昌入り後初のジャンプ練習で1回目と3回目に98メートルを飛んだ。小林潤志郎は1回目に101・5メートルで全体の9番手の得点をマーク。小林陵侑は3回目に9番手、伊東大貴は2回目に17番手となった。竹内は1回目に15番手だった。

 葛西以外の4人は同日午前からの練習でも飛び、小林潤は3回のうち、1回目に102メートルで全体の5番目、3回目は107・5メートルで同4番目の得点をマークした。 (共同)

◆「いやー、しょっぱい」でも手応え

 「いやー、しょっぱいジャンプだったぁ」。自身8回目の五輪出場となる葛西は、公式練習の3回を振り返って開口一番、そう言って苦笑いを浮かべた。五輪という独特の重圧に加え、8日の予選に挑む人選のための練習。ベテランといえど「1、2本目は体が硬くなって失敗した」という。

 それで冷静になれた。控室で気持ちを落ち着かせて向かった3回目。一時は「ダメかな」と思った2回と違い、「自分のジャンプができた」。飛距離こそ1回目の98メートルと同じ。しかし感覚を取り戻した飛躍は日本勢で2番目の得点をたたき出し、8度目の大舞台につながった。

 ワールドカップ(W杯)出場は500試合を超え、本場欧州では親しみを込めて「レジェンド(伝説)」と呼ばれる。初めて五輪の空を舞った1992年のアルベールビル大会以来、「今まで出場した五輪はいろいろなことがあった」。金メダルを獲得した団体メンバーから外れた98年長野大会、個人と団体で銀と銅のメダルを手にした前回ソチ大会。多くの経験を振り返りながら、今大会の目標を問われた45歳は「金メダルを目指す」と心を奮い立たせる。

 今季、ワールドカップ(W杯)では思うような成績を残せていない。それでも「波があるシーズンだが、少しずつ上がってきている感じがある」。本番に、必ずピークを迎えると信じてやまない。

 前回ソチ大会で日本選手団の主将を務め、今大会は9日の開会式で旗手を務める。日本の「顔」として五輪を彩りながら、翌10日のノーマルヒル決勝に向け、すべての力を注ぐ。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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