沙羅、笑顔キラキラ韓国入り 欧州合宿で状態「90%」

2018年2月7日

韓国・仁川国際空港に到着し、ファンからの握手に応じる高梨沙羅(共同)

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 【仁川(韓国)兼田康次】9日に開会式を迎える平昌五輪に出場するノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21)=クラレ=らが6日、遠征先の欧州から仁川国際空港に到着した。昨季までは2季連続ワールドカップ(W杯)総合優勝も、今季はいまだ優勝なし。だが2度目の五輪を目前に控えて、巻き返しの手応えをつかんだ様子。笑顔の中に明るい兆しが垣間見えた。

 笑う門には福来る、それを予感させる韓国入りだった。到着ゲートで100人以上の韓国人スタッフに出迎えられると、沙羅ちゃんスマイルが弾けた。前回ソチ五輪の4位から4年、雪辱の舞台に笑顔で到着した。

 「(多くの出迎えに)びっくりした気持ちと、うれしいなと。選手としてこの五輪に臨むことができて幸せ。この4年間はソチ五輪の悔しさを晴らすため、平昌五輪で金メダルを取るために練習してきた。その成果を出せるよう自分のベストを尽くしたい」

 ただし、置かれた立場は厳しい。昨季まで2季連続でW杯総合優勝も、今季は外国勢が台頭。ルンビ(ノルウェー)、アルトハウス(ドイツ)の2強に加えて、右膝手術から復帰したイラシュコ(オーストリア)が五輪前最後のW杯個人第10戦(スロベニア・リュブノ)で優勝と、メダルすら危うい状況だ。

 だが、笑顔でいられる理由が直前の欧州合宿にあった。

 「(高梨は)よくなっていますよ。全体的な流れがいいし、ポジションが安定してきたから常にいいジャンプができる。他のライバルもいたんですが、ダニエラ(イラシュコ)より5メートルくらい飛んでいたかな。楽しみです。期待してください」

 こう証言したのは全日本の鷲沢徹コーチだ。1月下旬のW杯後はスロベニアのプラニツァに移動。高梨にとっては昨夏の合宿地で、今回は2日間で計20本以上飛んだという。同じ場所にはスロベニア、ロシア、オーストリア勢もいたが、助走姿勢が安定してきたことで飛距離は常にトップ。復活Vを果たしたイラシュコ以上のジャンプを連発したそうだ。

 自身の状態を「90%」と説明した高梨は1月下旬に「考えすぎてしまう」と話していた課題も「一連の流れを意識せずともスムーズにできるようになった」とキッパリ。100%に向けて「90%できていても、平昌の台に合わさないと意味がない。まずはすり合わせたい」。ちなみに平昌のジャンプ台は昨年2月にW杯歴代最多となる53勝目を飾り、冬季では最後に勝っている幸運の地。完璧な状態は目の前だ。

 前回ソチ五輪で参加しなかった開会式にも参加予定で、極寒にも「北海道民なので、割と寒さには強いし、マイナス10何度くらいは対応できる。気持ちで乗り切れるかな」とサラリ。金メダル候補としての重圧に負けた4年前に対して挑戦者として向かう今回、4年分の幸福が沙羅ちゃんに訪れてもいい。

中スポ 東京中日スポーツ

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