平昌が最も寒い五輪に? けさ氷点下17度でも雪不足

2018年2月6日

寒さのわりに降雪が少ない平昌冬季五輪のスキー・スノーボード会場=5日、平昌で(潟沼義樹撮影)

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 韓国北東部で9日に開幕する平昌(ピョンチャン)冬季五輪は「最も寒い五輪になる」といわれる一方で雪は不足。本番を目前に控え、大会組織委員会は会場の準備に追われている。 (平昌・鈴鹿雄大)

 組織委によると平昌では、五輪期間(2月9〜25日)の過去10年間の平均最低気温が氷点下10・1度。2008年には同24・1度を記録した。今年は全国的に寒さが厳しく、6日朝の最低気温は同17度だった。

 米大手誌「タイム」によると、大会期間の平均気温が最も低かった五輪は1994年のリレハンメル(ノルウェー)で氷点下11度。平昌は海抜700メートルの高地で強い風が吹くことから、体感温度はさらに下がり「歴史上最も寒い五輪になる可能性がある」という。

 3日夜には現地で開会式のリハーサルがあり、一般参加者は布団を体に巻くなどの対策をして臨んだ。しかし寒さのあまり途中で会場を出た人たちも。70代の男性は「待ち時間も入れて2時間ぐらいいたけど、寒すぎて入場行進の途中で出てきた」と話した。

 一方、スキーやスノーボードのある山岳会場では3日未明まで人工降雪機で雪をつくり、圧雪などの整備に追われた。もともと平昌は五輪期間のこの10年間の平均総降雪量が31・9センチとそれほど多くない。寒ければ雪が降るように思われるが、日本の気象庁によると、気温が低くなるにつれて空気中に含むことができる水蒸気量が少なくなり、降水や降雪の量も少なくなるという。

 5日に練習したモーグル日本選手団の関係者は「人工雪が硬いのでスピードが出る。普通なら止められる場所で止められない可能性があるので注意をしないといけない」と語った。

 組織委は「ソチやバンクーバー五輪も雪不足が心配されたがうまくいった」と解説。「異常気候にも備えた十分な降雪設備を準備しており、非常時は商業用の降雪機も導入して十分な雪を確保する」と万全の対策を強調した。

中日新聞 東京新聞

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