ロシアの薬物処分無効裁定 IOCは13選手らの参加認めず

2018年2月6日

 【平昌=共同】国際オリンピック委員会(IOC)は5日、2014年ソチ冬季五輪のドーピング違反でロシア選手に下した永久追放処分をスポーツ仲裁裁判所(CAS)が無効とした裁定を受け、同国オリンピック委員会が平昌五輪への参加を要請していた13選手と元選手で現在コーチの2人に出場資格は認めないと発表した。ロシア側の反発は必至で、9日の開幕を前に事態は混迷を極めている。

 IOCが設置した委員会が参加可否を審査した結果、永久追放処分後に世界反ドーピング機関(WADA)から提供された情報などでさらに「疑いが生じた」と説明。処分を取り消す裁定を下したCASが疑惑を完全に否定していないことも理由に挙げた。

 IOCは潔白が証明された選手のみ「ロシアからの五輪選手」として個人資格での平昌五輪参加を容認。1月に169選手の参加を発表した。バッハ会長は4日の記者会見で「CASはこの問題の重大性を認識していない。内部構造の改革が喫緊の課題ということが表面化した」と非難し、判断に自信を示す。

 CASの運営母体、国際スポーツ仲裁機関(ICAS)のコーツ理事長は5日、IOCが求めた裁定の詳細な理由説明について「非常に重要だ。(仲裁人による)早急な発表を期待する」と述べ、協力を約束した。ただ、同理事長はIOC前副会長でバッハ会長のいわば側近。IOCとロシア側の対立構図は、さらに鮮明化しそうだ。

中日新聞 東京新聞

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索