渡部暁3位 5連勝逃す W杯複合第14戦

2018年2月5日

後半距離でゴールする渡部暁斗(左)=長野県白馬村の白馬ジャンプ競技場特設コースで

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 ノルディックのワールドカップ(W杯)複合白馬大会最終日は4日、長野県白馬村で平昌冬季五輪前最後の試合となる個人第14戦が行われ、五輪代表で個人総合首位の渡部暁斗(北野建設)は5連勝を逃し、3位だった。表彰台は6戦連続。ヤン・シュミット(ノルウェー)が飛躍7位から逆転し、今季3勝目、通算5勝目を挙げた。

 渡部暁は前半飛躍(ヒルサイズ=HS134メートル)で116メートルの8位と出遅れ、首位と1分17秒差で出た後半距離(10キロ)で追い上げたが、今季6勝目には届かなかった。

 五輪代表勢は山元豪(ダイチ)が8位に入り、永井秀昭(岐阜日野自動車)が13位、渡部剛弘(ガリウム)が20位、渡部善斗(北野建設)が27位だった。

 加藤大平(サッポロノルディックク)は16位、曽根原郷(東京美装)は17位、中村優斗(明大)は18位、清水亜久里(あぐり=ユーグレナ)は19位、山本涼太(早大)は32位。

◆五輪前、最後の実戦 久々の競り合い収穫に

 W杯5連勝を飾り、順風満帆で平昌冬季五輪に臨むことはできなかった。表彰台圏内を辛うじて守った渡部暁。それでも、五輪前最後の実戦で「勝ちたかったけど、3位で良かったのではないか」と結果を前向きに捉えた。

 前半飛躍で体のバランスを微妙に崩して8位と出遅れ、後半距離で首位と1分以上の差を追ってスタートする状況になった。最大のライバルで前半7位のシュミットと互いに集団を引っ張り合うように終盤まで走り続けたが、「体力が残っていなかった」。トップの選手に追いつけず、シュミットにも抜け出された。

 ただ、「バチバチやるようなレースを思い出すことができて刺激になった」。前半飛躍でリードを奪い、後半距離で逃げ切る盤石の展開で、前日まで勝利を積み重ねてきた。一人旅とは違い、この日味わったのは遠ざかっていた集団で走る感覚。だからこそ「ある意味、最高の形」と競り合うパターンを再確認できたことを収穫に挙げた。

 「ここで仕切り直して、さらにいい状態にして、金メダルを取って帰りたい」。同じミスは繰り返さない。地元白馬で戦ったW杯を糧に、平昌五輪で頂点を狙う。 (磯部旭弘)

中日新聞 東京新聞

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