高梨、五輪前最後の実戦で4位 「収穫も多く手応えある」

2018年1月29日

4位に終わり、厳しい表情でインタビューを受ける高梨沙羅=リュブノで(共同)

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 【リュブノ(スロベニア)=共同】ノルディックスキーのW杯ジャンプ女子は28日、当地で個人第10戦(ヒルサイズ=HS94メートル)が行われ、平昌冬季五輪代表の高梨沙羅(クラレ)は87メートル、88・5メートルの合計256・6点で4位だった。今季初優勝とジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝目は持ち越しとなり、3試合ぶりに表彰台も逃した。

 ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が89メートル、89・5メートルの262・4点で2季ぶりに通算13勝目を挙げた。高梨とともに五輪代表の伊藤有希(土屋ホーム)は83メートル、86メートルの237・0点で7位、岩渕香里(北野建設)は15位、勢藤優花(北海道ハイテクAC)は23位だった。

 今大会はW杯ジャンプ女子の平昌五輪前最後の試合で、次戦は3月に行われる。

<高梨沙羅の話> 混戦の中で自分のやるべきことができた。収穫も多く、手応えのある試合だった。平昌五輪の前にいい経験になったし、いい刺激を受けた。 (共同)

◆最多勝 足踏みのまま大舞台へ

 4年間目標にしてきた五輪を前に臨んだ最後の実戦で、高梨は4位だった。「課題をしっかり克服して、勢いをつけて平昌に乗り込めるようにしたい」との思いを込め、1回目は87メートル、2回目は88・5メートルを飛んだ。

 踏み切り付近の形状が「今まで飛んだジャンプ台の中で一番といえるほど急」という会場で、飛び出すタイミングに集中した。「合えばインパクトが伝わりやすいし、高さもスピードも変わってくる」と自覚し、一瞬の判断に神経を研ぎ澄ました。前日の個人第9戦では84メートル、86メートルと安定した飛躍を見せたが3位。優勝したルンビ(ノルウェー)に大差をつけられ「悔しい」と素直な気持ちを口にしていた。

 これがW杯通算100試合目。54勝にあと1勝で足踏みが続くが、「いい内容の後に(いい)結果がついてくる」と、記録の重圧に押しつぶされることはない。

 理想のジャンプを追い求め、今季最大の挑戦に向かう。 (共同)

中日新聞 東京新聞

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