大空に勇気の軌跡 スノーボードビッグエア

2018年2月23日

女子ビッグエア決勝 藤森由香のジャンプ=共同

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 新種目の女子ビッグエア決勝で岩渕麗楽(れいら、キララクエストク)が日本勢最高の4位に入った。藤森由香(アルビレックス新潟)は7位、鬼塚雅(星野リゾート)は8位。岩渕は2回合計147・50点、藤森は122・75点、鬼塚は119・00点だった。アンナ・ガサー(オーストリア)が185・00点で優勝し、スロープスタイルを制したジェイミー・アンダーソン(米国)が銀メダルを獲得した。

◆藤森7位「充実の3年」

 最後と決めた4度目の五輪を7位で終えた。31歳の藤森は決勝の2、3回目に「メダルを取りにいこう」と挑んだ難しい技の着地に失敗。「練習してきたことを出せなかった」と淡々と言葉を紡いだ。

 19日の予選を2位で通過して本番を迎えた。1回目の2回転半は「うまく合わせることができた」と納得の出来で82・25点の3位につけた。勝負の2、3回目は軸をずらして縦2回転、横2回転半する「フロントサイドダブルコーク900」に実戦で初めて挑戦した。

 着地を決めれば、銅メダルの可能性も膨らむ状況。空中ではいい感覚があった。だが「うまく回転を止めることができなかった」としりもちをつき、表彰台を逃した。

 スノーボードクロスから2015年に転向。適応は簡単ではなく、16年秋の五輪テスト大会の練習で転び、頭部を強打して欠場。昨年9月のW杯スロープスタイルも練習で頭を打ち、出場を取りやめた。医師から「もう試合には出ない方がいい」と言われたこともあった。

 それでも諦めずに代表の座をつかみ、スノーボードクロスで初出場した06年トリノ五輪の7位に並んだ。「すごく充実した3年間だった」とかみしめるように言った。

 (共同)

中日新聞 東京新聞

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