泣かないで麗楽 16歳女子最年少メダルあと一歩

2018年2月23日

競技後、涙をふく岩渕麗楽(高部洋祐撮影)

写真

 新種目の女子ビッグエア決勝がアルペンシア・ジャンプセンターであり、岩渕麗楽(れいら、16)=キララクエストク=が日本勢最高の4位に入った。2、3回目に大技に挑戦したが失敗。2010年バンクーバー五輪のフィギュアスケート女子で、19歳で銀メダルを獲得した浅田真央を抜く冬季五輪の日本女子最年少メダリスト誕生はならなかった。藤森由香(31)=アルビレックス新潟=は7位、鬼塚雅(19)=星野リゾート=は8位。アンナ・ガサー(オーストリア)が優勝した。

    ◇

 初代女王の座は遠く、最年少記録の更新も届かなかった。普段通りに胸をたたき、緊張をほぐして挑んだ最終3本目、軸をずらして縦2回転、横3回転する大技「バックサイドダブルコーク1080(DC10)」を繰り出すも尻もちをついてジ・エンド。149センチ、44キロ。小柄でキュートな岩渕の目に涙があふれた。

 「あと一歩届かなかったことが今の実力。大事なところで決めきれないのも弱いところ。今は悔しい気持ちでいっぱい」

 少なくともメダルは手の届くところにあった。3本滑って高い方から2つの合計点で競う決勝。1本目は逆スタンスで踏み切って2回転半する「キャブ900」を決めて79・75点。2本目はDC10に挑むも手をついて67・75点止まり。それでも2回目を終えて4位。しかも暫定3位のサドフスキシノット(ニュージーランド)が3本目で失敗したことで、着地に成功すればメダルは確実な状況になっていた。

 「着地のことだけを考えていた。回転数が少し足りなくて着地に余裕がなかったところが転んだ原因かなと思っている」

 岩手県一関市の一関学院に通う高校1年生は昨年末のW杯で初優勝。年明けのXゲームで2位になって一気にメダル候補になった。だが、スロープスタイルでは14位に沈むと、この日も4位。メダル獲得なら19歳5カ月でバンクーバー五輪銀メダルを獲得した浅田真央の持つ冬季五輪の日本女子史上最年少メダルを更新するところだったが、実現できなかった。

 「また4年後、この舞台にチャレンジするには今よりレベルアップしていかなきゃいけない」。大会前は名前の「麗楽」の一文字と同じで「楽しみたい」と話していた16歳にとって、苦い思い出になったが次回北京五輪はまだ20歳。2代目、3代目の女王に輝くチャンスはある。 (兼田康次)

中スポ 東京中日スポーツ

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索