最後の五輪…藤森7位「やり切った」
2018年2月23日
決勝を終え応援に訪れた人たちと記念撮影する藤森由香(中)(潟沼義樹撮影) |
最後の五輪は攻めて散った。最終3本目、藤森は自分ができる最高難度のフロントサイドダブルコーク900を選択するも尻もちをついた。得点が伸びずに7位止まり。スノーボードクロスの選手として出場した2006年のトリノ五輪と同じ自己最高の順位で自身4度目の五輪を終えた。
「今まで練習してきたことを出せなかった。(3本目は)難易度を落としたらメダルは確実じゃない。メダルを取りにいった。自分のできる最高の技を出したかった」
頭部打撲による無念の棄権で終えたバンクーバー五輪後にスロープスタイルとビッグエアに転向。タイム競技から採点種目に変えたことで見えたことがある。「勝つためにどうするか視野が狭くなっていたけど、この3年間でいろんな方に会って視野を広げることができた。人間的にも成長できた」。五輪は今回が最後と宣言して挑んだ舞台でメダル獲得はできなかったが、すがすがしさはあった。
「本当にやり切ったなという気持ちでいっぱい。五輪はこれが最後だけど、他にも世界の大きな大会はある。その大会に出て、自分のスノーボード人生をつくっていきたい」。美人ボーダーの五輪挑戦は笑顔で幕を閉じた。(兼田康次)
◆鬼塚悔しい8位
優勝候補のスロープスタイルが19位で「五輪はあまり好きじゃないな」と発言していた鬼塚雅(星野リゾート)はビッグエアで8位。入賞したが、悔しさが残った。
「やっぱり私は実力不足だったと思う」。この日は2本目、3本目とも実戦で着地を決めたことがない「バックサイドダブルコーク1080(DC10)」に挑んだが、いずれも失敗。今大会を「すごく悔しい大会になっちゃった」と振り返った19歳は、次の北京五輪に向けては「4年後はまだ目指すか決めていない」。苦い思い出だけが残ったようだ。