五輪初出場の16歳岩渕、10点差届かず 女子ビッグエア決勝

2018年2月22日

女子ビッグエア決勝1回目岩渕麗楽のエア=潟沼義樹撮影

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 新種目の女子ビッグエア決勝が行われ、岩渕麗楽(キララクエストク)が合計147・50点で4位、藤森由香(アルビレックス新潟)が122・75点で7位、鬼塚雅(星野リゾート)が119・00点で8位だった。

 アンナ・ガサー(オーストリア)が185・00点で優勝し、スロープスタイルを制したジェイミー・アンダーソン(米国)が177・25点で2位、ゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド)が157・50点で3位だった。 (共同)

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 勝負の3本目。「自分の中で自信が持てる行為なので」と右手でとんとんと左胸を軽くたたき、岩渕がスタートした。149センチ、44キロの小さな体が大型のジャンプ台から飛び出す。縦に2回、横に3回転。着地で立っていれば暫定4位から表彰台の可能性があった。だが尻もち。「メダルのことは頭になかった。ただ完璧に立って結果を残したかった」。初の五輪ではじけることはなかった。

 女子では大技のバックサイドダブルコーク1080。初優勝した昨年12月のワールドカップ、2位に食い込んだ最高峰のプロ大会「冬季Xゲーム」。いずれも決め、大きな期待を受けて臨んだ五輪。だがこれまでにない緊張感があった。現地での公式練習では決めていた。なのに「本番でミスをしてしまったのはダメなところ」。

 小学6年のころから「虎の穴」で技を磨いた。岩手県の自宅から、1998年長野五輪のスノーボード・ハーフパイプ(HP)代表だった西田崇コーチがオーナーの宮城県内の練習場に通った。国際大会の採点方式を取り入れた大会形式の練習で男子高校生らに交じり、勝った負けたを繰り返してきた。

 試合後、応援に駆け付けた家族をスタンドに見つけると、涙がこぼれた。負けず嫌いな性格にこの結果は満足いくはずもない。「また4年後、この舞台に挑戦するには回転数も上げていかないと。もっとレベルアップしていかなきゃ」。16歳の高校1年生は、さらに大きくなって五輪に戻ってくる。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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