平野歩夢、ソチに続く銀メダル スノボHP 片山7位、戸塚11位

2018年2月14日

男子ハーフパイプ決勝2回目エアを決める平野歩夢=14日、平昌で

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 【平昌(ピョンチャン)=本社五輪取材団】平昌冬季五輪第六日は十四日、スノーボードの男子ハーフパイプ(HP)決勝が行われ、十九歳の平野歩夢(あゆむ)(木下グループ)が前回ソチ五輪に続く銀メダルを獲得した。二回目で一時トップに立ったが、ライバルのショーン・ホワイト(米国)に最終の三回目で逆転された。片山来夢(らいぶ)(バートン)は七位、神奈川県出身の高校生、戸塚優斗(ヨネックス)は十一位。戸塚は二回目で着地に失敗して担架で運ばれ、三回目は棄権した。

 フィギュアスケートのペア・ショートプログラム(SP)では、須崎海羽、木原龍一組(木下グループ)が演技した。同日夕には、アイスホッケー女子一次リーグで、日本は韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」と対戦。ノルディックスキー複合のノーマルヒルでは、ソチ五輪銀メダルの渡部暁斗(北野建設)が頂点を目指す。

ショーン・ホワイト(右)と健闘をたたえ合う平野歩夢=いずれも潟沼義樹撮影

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◆けがから復活「全力でやれた」

 二つ目の銀メダルを手にした平野歩夢。一年前、米国であった国際大会で転倒し、左膝の靱帯(じんたい)と肝臓損傷の大けがを負ったが鮮やかに復活。念願の金メダルには届かなかったが「自分ができる範囲では全力でやれた」と穏やかに笑った。

 昨年三月、世界のトップ選手が集うプロ大会の滑走中だった。平昌五輪を想定した4回転の大技に挑んだが、半筒状のパイプコースの縁に板が引っかかり、反動で転倒。左膝の靱帯を痛め、腹部も強打した。医師からは「打ちどころが一センチずれていたら、命が危なかった」と言われたという。

 けがで競技への恐怖心が芽生えたが、それよりもスノーボードができないつらさが上回った。復帰までの約三カ月、「退屈というか。何をしていいか分からなくて」。雪上を離れた時間を「本当に長かった」と振り返り、けがをした当時のことは「あまり考えたくない」と話す。大事なのは前進することだった。

 スノーボードでは昨季、未成年選手の飲酒や大麻使用が発覚し、世間から冷ややかな目を向けられた。その視線を払拭(ふっしょく)するためにも、五輪での結果がほしかった。復帰後、夏のニュージーランドで雪上の感触を確かめながらペースを上げた。平昌五輪イヤーの開幕を告げた九月のワールドカップ開幕戦では二位に輝き、完全復活を印象づけた。

 けがを乗り越えてたどり着いた平昌。ホワイトらと世界最高レベルの優勝争いを繰り広げた。「楽しかった。今までで一番の大会だった」。四歳で始めたスノーボード。二大会連続の五輪銀メダルを糧に、さらなる飛躍を目指す。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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