歩夢、金メダルへ「連続4回転」解禁 余力残して3位通過

2018年2月14日

男子ハーフパイプ予選1回目エアを決める平野歩夢=平昌で(潟沼義樹撮影)

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 ハーフパイプ(HP)男子予選がフェニックス・スノーパークであり、ソチ冬季五輪銀メダルの平野歩夢(19)=木下グループ=が95・25点の3位、片山来夢(らいぶ、22)=バートン=が90・75点の5位、戸塚優斗(16)=ヨネックス=が80・00点の10位となり、12人で争う14日の決勝に進出。ショーン・ホワイト(米国)が98・50点でトップ通過した。ソチ五輪銅メダルの平岡卓(22)=バートン=は75・75点の13位で落選した。

 余裕たっぷりの空中浮遊は、4年前には届かなかった頂点への可能性を十分に感じさせた。先日のXゲームで史上初めて成功させた4回転の連続技を披露しなかった平野だったが、難易度を落とした構成を精度高く完遂し、95点超えの高得点をマーク。盤石の形で決勝に駒を進めた。

 「まあいつも通り、予選に合わせた滑り。五輪だけど特別変わった雰囲気はない。知り合いや日本の人が多いので、モチベーションを上げられる」とクールに振り返った。

 予選から有力選手が果敢に回転数の多い技を繰り出し、上位5人が90点超えのハイレベルな争いとなった。ただ、平野はどこまでも冷静だ。「技は(決勝に)取りためてある。みんな気合入って、着々と決勝に向けてトライしている。いいことだと思う」とサラリ。自身の演技の後、ホワイトがたたき出した98点超えのハイスコアを見ても、少しも表情は変わらなかった。

 「当然、98点は出る滑りをしていた。それなりの点数なのかなと。出ると思いましたよ。98点ぐらい」とそっけなく言った。Xゲームで99点をマークした平野、W杯で100点を記録しているホワイト、そして世界王者のジェームズの3人は、決勝に向けてそれぞれ技を温存していた。決勝では史上空前のハイレベルな争いが繰り広げられる。

 決勝では必殺のフロントサイドダブルコーク1440からのキャブダブルコーク1440という4回転の連続技を解禁する。「結果をというより、自分の滑りをすれば、結果になる。それぐらい高い難易度のものを決勝でやりたい」。今季のテーマは「圧倒的に勝つ」。日本のエースの自信は揺るがない。 (大上謙吾)

◆「ソチのころより成長」 ホワイトみなぎる自信

 圧巻のランで1位通過を決めたホワイトは「いいランができた。若い奴らが信じられないほどいい滑りをするから、自分もいいところを見せないと、と思ってね」と満足感を漂わせた。

 スノーボード界の“カリスマ”は平野について「『次のショーン・ホワイト』と呼ばれていた13歳のころから知っているが、重圧のかかるタフな状況でやっている。すごい潜在能力を持った選手だ」とたたえた上で、「自分もソチのころより日々成長してきた。だから私はここにいる」と、五輪王座奪還に自信をみなぎらせた。

中スポ 東京中日スポーツ

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