松本遥奈6位、着地乱れメダルならず 女子ハーフパイプ決勝

2018年2月13日

女子ハーフパイプ決勝3回目でエアを決める松本遥奈=潟沼義樹撮影

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 女子ハーフパイプ(HP)決勝で、ともに五輪初出場の日本勢は24歳の松本遥奈(クルーズ)が70・00点で6位、18歳の冨田せな(新潟・開志国際高)は65・25点で8位と、そろって入賞した。17歳のクロエ・キム(米国)が98・25点で初優勝した。

 決勝は12人が3本ずつ滑り、3本のうち最も高い得点で競った。 (共同)

◆攻めの滑りは貫く

 最後まで攻めの滑りを貫いた。3位に入るには85点台の高得点が必要だった決勝3回目。松本は女子最高難度の3回転に挑んだが、着地がやや乱れて得点は伸ばせなかった。日差しで雪面が柔らかくなりスピードが不足した影響もあったというが、「自分の滑りを出し切ることを目標にしていた。それができて良かった」。メダルは逃しても表情にはすがすがしさが漂った。

 2011年に世界ジュニア選手権を制し、全日本選手権でも優勝3度の実力者。昨年3月、スペインであった世界選手権で日本選手として10年ぶりの表彰台となる銀メダルを獲得した。直前にあったUSオープンで左の臀部(でんぶ)から脚にかけて打撲し、痛みを抱えた中での大一番だったが「体の状態が悪い中でもやるしかないと思えばできるんだと思った」。あらためて自分の可能性に気付いた。

 その後は重圧との戦いでもあった。「世界選手権2位なのに、海外の試合で成績が悪かったら『あの時だけ』と思われる。それがいやだった」。空中姿勢を保ちやすくするため意識的に筋力強化に取り組んでいたが、質も重視。「トレーニングをすごい一生懸命やった」と振り返る。

 前回ソチ五輪は出場を逃し、長い道のりを経て「悔しい思いを全部ぶつけられるようにしたい」と挑んだ平昌。3位通過した前日の予選に続き、70点を出した決勝1回目は安定の滑りだった。「周りの選手が成功すれば『自分も頑張らなきゃ』と思えた。互いを高め合うことができた」と充実感を漂わせながら、「最高の大会だった」と笑顔で語った。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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