国武16歳誕生日祝えず 全体26位で予選敗退

2018年2月11日

男子スロープスタイル予選で滑走する国武大晃=平昌で(潟沼義樹撮影)

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 男子スロープスタイル予選がフェニックスパークで行われ、2組の大久保勇利(17)=ムラサキスポーツ=は75・05点の同組8位、国武大晃(くにたけ・ひろあき、16)=STANCER=は43・16点の同14位で、ともに11日の決勝進出を逃した。

 大久保は全体14位、国武は同26位だった。予選は37選手が2組に分かれて争い、1組のマルクス・クレベラン(ノルウェー)、2組のマックス・パロット(カナダ)ら各組6位までの計12人が通過した。

 不完全燃焼のバースデーだ。3つの障害物と3つのジャンプ台での技で採点されるこの競技、日本選手団最年少の国武は予選2度とも2つ目のジャンプで失敗した。

 「楽しかったけど、予選通過できなかったのは悔しい。反省は全部といえば全部。全部強化しないといけない」

 16歳になった高校1年生は唇をかんだ。1月のW杯米スノーマス大会で2位に入り、一気に注目を集めたが、平昌の強い風に苦しんだ。「スピードがつきづらかった」。すべてのセクションでスピードに乗り続けることが攻略の条件にあって、16歳のサイズは163センチ、54キロと小柄。逆風で押し戻され、空中にいるときも狂いが生じた。

 雪とほぼ無縁の愛知県東浦町で生まれ育ったが、スノーボード好きの家族とともに毎週末、岐阜・奥美濃のゲレンデに通った。幼少時からこぶや山の斜面を滑るのが大好きで、頭角を現すのも早かった。現在は東浦町でぶどう園を営む母・あゆみさん(42)から小学2年のとき「五輪で滑る姿が見たい」と言われると、五輪が何かも知らずに「分かった」。そんな孝行息子がたどり着いた夢舞台だった。

 「(原因を聞かれ)風ですね。でも、言い訳になるから言いたくない。実力にしといてください。(誕生日にも)悔しいです」。国武は21日に予選があるビッグエアにも出場。悔しさだけを持ち帰るつもりはない。 (兼田康次)

中スポ 東京中日スポーツ

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