平野が異次元V 圧巻の連続回転技 「冬季Xゲーム」

2018年1月30日

 スキーなどの競技を独自のルールで実施する「冬季Xゲーム」は28日、米コロラド州アスペンで行われ、平野歩夢(木下グループ)がスノーボードの男子スーパーパイプを99・00点で制し、ハーフパイプ(HP)で金メダルを狙う平昌冬季五輪に弾みをつけた。Xゲームのこの種目では、2016年のオスロ大会に続いて2度目の優勝。出場10人が3本のベストスコアを競う方式で行われ、14年ソチ五輪銀メダルの平野は3回目に最高点をマークするなど3本とも90点台を出した。平昌五輪代表の片山来夢(らいぶ=バートン)は81・66点で6位。 (共同)

◆五輪前「狙って決めた」

 異次元の滑りだった。平昌冬季五輪のスノーボード男子HPで頂点を狙う平野が、軸をずらしながら縦に2回転、横に4回転する「ダブルコーク1440」(DC14)の連続技で観客の度肝を抜いた。

 2回目に96・66点でトップに立っても、手を緩めなかった。3回目は、右足前の正スタンスから繰り出すフロントDC14と左足前の逆スタンスから入るキャブDC14の連続技を成功させた。100点満点で99・00点をたたき出し「クリーンにできて、初めて大会でも決められたのが一番」と声を弾ませた。

 前回のソチ五輪は惜しくも銀メダル。昨年3月のプロ大会で左膝と腹部を強打して約3カ月の離脱を強いられたが、19歳で迎える2度目の五輪に向けてきっちりと仕上げてきた。「狙ってこれをやろうと思ってこっちに来ていた」。念願の金メダルにぐっと近づく究極の連続技を約2週間後に迫った本番前に決めた。

 高難度の演技構成をしっかりとこなしただけでなく、抜群の安定感も示した。3本とも90点台をマークしたのは出場した10人で平野だけ。最高峰のプロ大会で実力を誇示したライダーは、金メダルを誇らしげに掲げ、口元を緩めた。 (共同)

<ひらの・あゆむ> 2014年ソチ冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプで銀メダルを獲得し、雪上競技で五輪史上最年少となる15歳74日で表彰台に立った。最高峰のプロ大会「冬季Xゲーム」は16年オスロ大会で優勝。今季はワールドカップ(W杯)で2勝。新潟・開志国際高出、日大1年。木下グループ。160センチ、50キロ。19歳。新潟県出身。

中日新聞 東京新聞

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