フランス奪還 若き王者 20年ぶり 圧倒4得点
後半、4点目のゴールを決めるフランスのエムバペ=共同 |
【ロシアW杯本社取材団】大会最終日の15日、決勝が行われ、フランスが初優勝を目指したクロアチアに4−2で勝ち、自国開催だった1998年大会以来20年ぶり2度目の優勝を果たした。
フランスは前半18分、グリーズマンのFKが相手のオウンゴールを誘い先制した。その後追い付かれたが、同38分、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定で得たPKをグリーズマンが決めて勝ち越した。
後半14分には、ポグバが左足でミドル弾を決めて追加点。同20分には19歳のエムバペが右足を振り抜きチーム4点目を挙げた。同24分に1点を返されたが、最後まで落ち着いた試合運びで逃げ切った。
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世界最高の舞台で、若きフランスが躍動した。序盤こそクロアチアに押され気味だったが、徐々にペースをつかんで攻勢を強めると大量4点を奪って20年ぶりの戴冠。伝統のブルーに身を包んだ精鋭たちが歓喜に酔いしれた。
前半38分、グリーズマンがPKを冷静に左足で決めて再びリードを奪って折り返すと、波状攻撃に出た。後半14分、ポグバが左足を豪快に振り抜き、今大会初得点で突き放す。追い打ちを掛けるように19歳が続いた。同20分、左サイドのエルナンデスから中央でボールを受けたエムバペが右足で強烈なミドルシュートを決めた。一気に畳み掛けてクロアチアの戦意を奪った。
「歴史に最も美しい1ページを書き加えに来た」とデシャン監督は話していた。1998年大会で主将として初優勝に導いた指揮官は、同国に息づく華麗な「シャンパンサッカー」に若さと堅守をブレンドさせた。
準優勝した一昨年の欧州選手権から主力のグリーズマンやポグバに、圧倒的な加速力を誇るエムバペを加えて速攻に磨きがかかった。23選手の平均年齢は25・6歳。19歳のエムバペは初優勝後の98年12月に生まれた選手だ。
高い攻撃力を生かせたのも、守備的MFだったデシャン監督が哲学を注ぎ込んだ堅い守りがあってこそ。センターバックのバラン、名手のGKロリスが固めるゴール前は、準々決勝、準決勝で無失点と試合を重ねるごとに安定感を増した。
強豪国が相次いで序盤で敗れた今大会で唯一、前評判通りの力を示した。「僕たちは若いが、多くの経験も積んできた」とグリーズマンは胸を張る。覇者への道を知る指揮官に率いられ、若き選手たちが最高の輝きを放った。(モスクワ・浅井俊典)