7月16日
クロアチアの炎 鎮火
前半、同点ゴールを決めたペリシッチ(4)に抱きつくクロアチアイレブン=共同 |
クロアチアは、初めてたどり着いた決勝の舞台で堂々と持ち味を発揮した。それだけに、結果は痛恨だろう。ダリッチ監督が「何が起きても選手を誇りに思う」と話す自慢のチームは不運な形で失った前半の2点が重く、突き放された。
立ち上がりから息の合ったハイプレスで押し込み、モドリッチの絶妙なパスは観衆をどよめかせた。しかし、直接FKに跳び上がったマンジュキッチのオウンゴールで先制を許す。強烈なシュートで同点としたペリシッチが、ハンドの反則でPKを献上。これで勝ち越され、流れを失った。
ここまでは決勝トーナメントの全3試合を先制されながら切り抜け、人口400万人余りの小国の快進撃は共感を呼んだ。世界中から激励メッセージが届いたというラキティッチは「僕らが一体となって戦う姿を見せたい」と最後の最後までプレーに気持ちを込めた。
1−4とされた後半24分、マンジュキッチがGKに詰めて意地のゴールをもぎ取った。「バトレニ(炎)」の愛称を持つバルカン半島の雄が7試合で見せた熱い不屈の闘志が、大会に妙味を加えた。 (モスクワ・共同)