7月14日

小国クロアチア、歴史変える 日本時間16日未明、フランスと決勝

ナイジェリア戦で競り合うクロアチアのモドリッチ(右)=6月16日、カリーニングラードで(ロイター・共同)

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 5大会ぶり2度目の優勝を狙うフランスと、初の頂点を目指すクロアチアの決勝は15日午後6時(日本時間16日午前0時)からモスクワのルジニキ競技場で行われる。3位決定戦のベルギー−イングランドは14日に行われる。

 人口約410万人の小国が、W杯版おとぎ話をいよいよ完結させるところまで来た。クロアチアは3戦連続延長戦をくぐり抜け初の決勝。6試合延長なしのフランスに対し、コンディション面では圧倒的に不利だが、度重なる困難を乗り越えてきたクロアチアの結束力は軽視できない。

 国際サッカー連盟(FIFA)の技術部門最高責任者で、元オランダ代表のファンバステンさんは12日の会見で「クロアチアのような小国が決勝へ進出したことはとても興味深い。最後まで団結して戦うところに強さがある」と語った。1930年の第1回大会で自国優勝したウルグアイの当時の人口は170万人。これに次ぐ小国の決勝進出となる。

 欧州予選では最終戦前に監督交代。ダリッチ新監督のもとプレーオフを制して本大会出場を決めた後も、トラブルが相次いだ。大会序盤、FWのN・カリニッチを代表から追放。その後、DFロブレンが試合中に公式スポンサー以外の飲料をピッチ周辺で飲んだのがみつかり罰金。さらに代表スタッフが、ロシアと政治的な問題を抱えるウクライナを礼賛するような行為で2度目の罰金。ピッチ外での騒動が続いたが、チームの結束を高めるように勝ち進んできた。

 準決勝まで6試合で、全チーム最長63キロの走行距離を誇るチームの心臓、モドリッチは「きっと、偉大なことを成し遂げられる」と自信を見せる。幼少期に旧ユーゴスラビア連邦の民族紛争に巻き込まれて難民生活を経験しているリーダーを中心に、驚くべきメンタルの強さを見せてきた。

 「クロアチアは総合力で他を上回る。これまでW杯はブラジル、アルゼンチン、ドイツなど大国ばかりが優勝してきた。だがクロアチアはその一歩手前にいる。特別なことだ」とファンバステンさんは言う。フランスに挑むクロアチアが世界の潮流を変えるかもしれない。 (原田公樹)

中スポ 東京中日スポーツ

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