7月13日

無尽蔵クロアチア 初の決勝へ

 【ロシアW杯本社取材団】第23日の11日は準決勝の残り1試合が行われ、3試合連続の延長戦となったクロアチアがイングランドに2−1で逆転勝ちし、初の決勝進出を決めた。5大会ぶり2度目の優勝を狙うフランスとの決勝は、15日午後6時(日本時間16日午前0時)からモスクワのルジニキ競技場で行われる。

 クロアチアは後半23分にペリシッチのゴールで追い付き、延長後半4分にマンジュキッチが決勝点を挙げた。地元開催で初優勝した1966年大会以来の決勝を逃したイングランドは、14日午後5時(同14日午後11時)からの3位決定戦でベルギーと戦う。

◆3戦連続延長 マンジュキッチ歴史的V弾

 とうに限界を超えているはずなのに、ストライカーの本能が体を突き動かした。延長後半4分。クロアチアを初の決勝に導く逆転弾を決めたのは、マンジュキッチ。母国サポーターの大歓声に応えるように国旗を身にまとい、歴史的勝利の余韻に浸った。

 両チームとも選手の足が止まりかけていたが、ペリシッチが頭で必死にゴール前に送ったボールにいち早く反応した。相手DFの背後から飛び出して左足を振り、ボールを右サイドネットに突き刺す。守備の隙を瞬時に嗅ぎ分け、極限の重圧下で決めきる能力の高さが凝縮されていた。

 32歳のベテランの一撃で締めくくった死闘に、ダリッチ監督は「これがクロアチアだ。選手は尽きることのないスタミナを示してくれた」。開始5分にいきなりFKから失点し、決勝トーナメントに入ってから3試合連続で追いかける苦しい展開を、驚くべき運動量ではね返した。

 試合で見せた勝利への執念は、人口400万人余りの小国の誇りを背負う責任感と色濃く結び付く。後半23分に価値ある同点弾を決めたペリシッチも「誰が決めたかは重要じゃない」と一丸の成果を強調する。

 決勝でぶつかるフランスは、クロアチアが初出場した98年大会に準決勝で敗れた因縁の相手だ。モドリッチは「リベンジするつもりだ」と闘志を燃やす。大国相手にも、折れない心を持ったチームがひるむ様子はない。 (モスクワ・浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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