7月11日

フランス、一致団結 12年ぶり決勝進出

 【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)第22日は10日、サンクトペテルブルクで準決勝1試合が行われ、フランスがベルギーを1−0で下し、準優勝した2006年ドイツ大会以来3大会ぶり3度目の決勝進出を果たした。ベルギーは初の決勝を逃した。フランスは自国開催だった1998年大会以来2度目の優勝を目指し、15日(日本時間16日未明)の決勝でクロアチア−イングランドの勝者と対戦する。

 フランスは後半6分、右CKにウンティティが頭で合わせて先制。ベルギーの反撃を無失点でしのいだ。(記録は共同)

◆セットプレー 千金ヘッド弾

 めまぐるしく攻守が入れ替わる好ゲームの均衡が崩れたのは後半6分だった。フランスの右CK。グリーズマンが左足で放ったキックを、ニアサイドに走り込んだウンティティが頭で決める。「いいボールが来たのでうまく合わせられた」。フランスがこの1点を手堅く守り切り、2006年大会以来の決勝進出を決めた。

 最後にウンティティが競り合ったのは自分より11センチも身長が高い194センチのフェライニ。ただ、その前に勝負はついていた。直前に別のDFのマークを振り切り、フェライニが遅れて対応せざるを得ない状況をつくっていた。

 苦しいときにセットプレーで活路を開けるのが、今のフランスの強みだ。準々決勝のウルグアイ戦でも、FKから先制点。ゴール前の急所をえぐるようなグリーズマンの左足キックに、ピンポイントで合わせられる選手がそろう。

 ドイツ、スペイン、ブラジルと優勝候補が次々と姿を消す中で唯一、前評判通りの強さを見せてきた。若手の多いチームを、前回大会の経験者やデシャン監督の采配が支える。この日も先制点を奪った後、19歳エムバペの圧倒的なスピードを生かした速攻でベルギーを脅かし、要所ではポグバら中堅選手がボールを保持する時間帯を増やして試合を締めた。

 20年ぶりのW杯制覇まであと1勝。ジダンというスーパースターを擁した前回の優勝チームとはスタイルが異なるが、試合を重ねるごとに勝機を見逃さないしたたかさを身に付けている。 (サンクトペテルブルク・浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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