7月11日
<オンサイド>仏に先制点許し、得意の速攻不発
2度目の準決勝で初めての決勝へ、そして初優勝の力は十分にあった。しかしベルギーの夢はCKからのヘディング1発ではかなく散った。
序盤は快調だった。E・アザールのドリブル、シャドリの攻撃参加で左右からフランスに揺さぶりをかけた。しかし、前半21分に右CKをフェライニがつないでアルデルウェイレルトがターンしながら放った好シュートがフランスGKロリスに防がれたあたりから、試合はフランスのペースとなった。
堅い守備から速攻を繰り出すフランスに対しベルギーは攻撃のスピードを上げることができず、いたずらにパスを回すだけで時間が過ぎていった。その傾向は、後半6分にフランスに先制を許してから、さらに顕著になった。
C組で大会3日目に初戦を戦ったフランスに対し、G組のベルギーは5日目が初戦。以後2日ずつ試合が遅れ、準々決勝は同じ日。そこでブラジルを相手に死力を尽くしてしまったことも、前半半ばからのスピードダウンの原因だったかもしれない。
「FWまで戻って対応したフランスの守備を褒めなければならない試合だった。しかし、最後までできる限りのことをした選手たちを誇りに思う」と、マルティネス監督は潔く敗戦を受け入れた。 (サンクトペテルブルク・大住良之=サッカージャーナリスト)

