7月9日

4強決定 止まらぬクロアチア スバシッチ、また止めた

ロシア−クロアチア PK戦でロシア1人目のスモロフ(10)のキックを止めるクロアチアのGKスバシッチ=ソチで(共同)

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 【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)は第21日の7日、サマラなどで準々決勝2試合を行い、ベスト4が出そろった。イングランドはスウェーデンを2−0で破り、1990年大会以来28年ぶりの4強入り。クロアチアは開催国のロシアと2−2で延長を終え、2戦連続で臨んだPK戦を4−3で勝利。98年大会以来20年ぶりの準決勝進出を果たした。

 いずれも欧州勢となった準決勝は10日(日本時間11日)にフランス−ベルギー、11日(同12日)にクロアチア−イングランドが行われる。 (記録は共同)

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 2試合連続で延長とPK戦をくぐり抜け、クロアチアが20年ぶりにベスト4に進出した。5人目のラキティッチが決めた瞬間をベンチから見守り、思わず涙を流したダリッチ監督は「美しい試合ではなかったが、激しく戦った」と消耗戦を制したチームをたたえた。

 相手は開催国。アウェーの雰囲気の中、前半31分に先制されたが、8分後にクラマリッチが頭で同点とした。後半18分に守備的MFブロゾビッチを入れ、モドリッチとラキティッチをより攻撃的な位置に上げたが、決定力を欠き延長に入った。

 セットプレーで1点ずつ取り合い、120分で決着せず迎えたPK戦は、前のデンマーク戦で3本止めたGKスバシッチが再び輝く。1人目のキックを止めて流れを引き寄せ、4−3で退けた。

 モドリッチは「PK戦の前に勝負を終わらせるべきだった」と2−1の延長後半に追い付かれたことを反省したが、W杯で2試合連続のPK勝ちは1990年大会のアルゼンチン以来で2例目。粘り強さは本物だ。

 初出場で3位に入った98年以来の躍進に、守備の要のロブレンは「ここまで来ただけでも大きな成功。次は楽しむだけ」。激闘を制した自信を胸に準決勝へ向かう。 (ソチ・共同)

◆若きイングランド 勝ち進むたび成長

スウェーデン−イングランド 前半30分、先制ゴールを決め、駆けだすイングランドのマグワイア(6)=サマラで(共同)

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 サッカーの「母国」が最後にベスト4入りした1990年に、今の選手の大半は生まれていない。2−0でスウェーデンを下し、7大会ぶりに準決勝へと進んだイングランドのサウスゲート監督は「若いチームが目の前で成熟している」と手応えを深めている。勝利を呼ぶ2ゴールは、25歳のマグワイアと22歳のアリが奪った。

 前半30分、レスターで岡崎の同僚でもあるDFマグワイアが、堅固なマークをものともせずに左CKを頭でたたき込んだ。両拳を握りしめ「相手の守備が強いのは分かっていたが、それを上回れた」と、貴重な先制点で流れをつかむ。後半14分にはリンガードのクロスをアリがヘディングで合わせて追加点とした。決して前評判は高くなかったチームが、期待以上の躍進を遂げている。

 サウスゲート監督の前職はイングランドのU−21(21歳以下)代表監督だった。長年、プレミアリーグの隆盛と強化が比例しないジレンマを抱えていたフル代表で、意図的に若手を引き上げて世代交代を進める。マンチェスター・シティーのグアルディオラやチェルシーのコンテら、有能な外国人監督がリーグで若い選手を積極的に登用する流れが代表に還元されている、と分析する。

 今大会の合計得点は11ゴールとなり、優勝した66年大会に並んだ。監督は「パーティーは、まだ続いている」と、さらなる高みを見据えた。 (共同)

中日新聞 東京新聞

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