7月7日

速攻ベルギー、王国も斬る 32年ぶり4強

 【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)第20日は6日、カザンなどで準々決勝2試合が行われ、初制覇を狙うベルギーが過去5度優勝のブラジルを2−1で破り、1986年メキシコ大会以来8大会ぶりの4強入りを果たした。自国開催だった98年大会以来の頂点を目指すフランスはウルグアイに2−0で快勝し、3大会ぶりのベスト4。両チームは10日(日本時間11日)の準決勝で対戦する。

 ベルギーは前半にオウンゴールとデブルイネの得点で2点を先行。後半の反撃を1点にしのいだ。フランスは1−0の後半にグリーズマンの今大会3ゴール目で突き放した。

 南米勢は全て姿を消し、4強は3大会ぶりに欧州勢で占められることが決まった。 (記録は共同)

◆デブルイネ「力示せた」

 優勝候補ブラジルを退け、母国を32年ぶりのベスト4に導いたのはベルギーの誇る司令塔デブルイネだった。試合を決定づけるチーム2得点目。「僕たちの力を示せた」と満足げに語る。

 日本戦をなぞるような電光石火のカウンターは、1−0でリードした前半31分。ブラジルの右CKのクリアを拾ったルカクが自陣から猛然とドリブルを開始する。同じタイミングで右サイドを駆け上がり、パスを引き取って右足を一閃(いっせん)。約20メートルの距離から対角線のサイドネットを射抜いた。

 ブラジルに対抗するには得意の速攻しかないとみたマルティネス監督から、代表の定位置である守備的MFではなく最前線で起用された。個の能力の高いルカク、E・アザールの3人で、強固な相手守備陣を突破する任務を託されていた。

 「どのポジションだろうと勝つために役割を果たす」と話す27歳は、得点という形で起用に応える。中長距離パスの名手がスナイパーのような正確なシュートを打てるのは、サッカーの基本である止める、蹴る技術を世界一流のレベルで体現できているからだろう。得点場面でボールを受けてからシュートに至るまでの滑らかさには、目を見張るものがあった。

 今季はイングランド・プレミアリーグ最多の16アシストでマンチェスター・シティーの優勝に貢献。W杯でも最大のヤマ場といえるブラジル戦を乗り切った。「優勝するためにここに来た」とデブルイネ。次のフランス戦で同様の輝きを放つことができれば、初の決勝進出も見えてくる。 (カザン・浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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