7月5日
若きイングランド 冷静 心理面で対策 苦手PK戦制す
コロンビアとのPK戦で、5人目のキックを左手で止めるイングランドのGKピックフォード=AP・共同 |
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新生イングランドが「負の歴史」を塗り替えた。W杯で4度目にして初めてPK戦を制し、3大会ぶりにベスト8進出。24歳で主将を務め、若きイレブンを引っ張るケーンは「自信を持って前に進める」と力強く話した。
観衆約4万4000人の大半がコロンビアを応援し、サウスゲート監督が「敵地のようだった」と感じた雰囲気にも、のまれなかった。後半12分にケーンが自ら倒されて得たPKを決めて先制。決定機は多くなかったが、我慢強く戦って相手にも簡単に好機を与えなかった。
後半ロスタイムにCKから痛恨の失点を喫し、延長で決着せずにPK戦に突入。サポーターにとって苦い記憶がよみがえる展開になっても、チームは至って冷静だった。
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サウスゲート監督自身が現役時、地元開催だった1996年欧州選手権の準決勝で5−5からの6人目で失敗し、敗退した経験を持つ。PK戦の重要性を認識し、技術面や心理面の研究を取り入れた成果が出て「準備したスタッフと、実行した選手のおかげ」とたたえた。5人目のキックを左手で止めたGKピックフォードは「分析は十分していた」と胸を張った。
3時間近い熱戦を制し「次戦への回復を考えれば理想的ではないが、チームにとっては特別な夜になった」と指揮官。先発7人が25歳以下という若いチームは、劇的な勝利でさらに勢いづく可能性を秘めている。 (モスクワ・共同)

