7月4日

乾、けが越え奮迅 原口、適応の初G

後半、先制ゴールを決める原口。手前はベルギーのフェルトンゲン=共同

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 互いに不安を抱えながらも輝きを放った。手術の恐れもあるけがを抱えた左MFの乾と本職とは逆の右MF原口の両翼が、日本の今大会通算6得点のうち3得点を挙げた。ベルギー戦ではともにゴールを奪って一時リードを2点に広げ、優勝候補のベルギー守備陣に大きな脅威を与えた。

 後半3分。左サイドの乾から中央の柴崎へボールが渡る。右サイドで相手の裏を狙って走り出し、柴崎からのスルーパスを引き出した原口が右足で左隅にW杯初ゴールを決めた。今大会の2人の飛躍を象徴する先制シーンだった。

 4分後には乾がペナルティーエリアの外から右足を振り抜いてゴール右隅に突き刺し今大会2ゴール目。前半を終え「相手に慣れてきた」と原口が言えば、乾は「打った瞬間、いい感じだった」。

 獅子奮迅の活躍を見せた乾だが、5月のチーム合流直前に右太ももを痛めて出遅れた。実は手術を宣告されていたというが「諦めきれず、手術せず治す方法を選んだ」。負傷箇所にできた血の塊を薬で溶かしたりマッサージで散らしたりして、30歳にして初めてのW杯に間に合わせた。

 原口は不慣れな役割に苦しんだ。右サイドで攻守に上下動するプレーを期待されたが、本来は左のアタッカー。守備ではミスから失点に絡むこともあった。

 それでも豊富な運動量を武器にピッチを駆け巡った。強豪を相手にひるまず戦い「自分の良さは出た」と手応えを口にした。

 ただ、世界との差を痛感させられたのも事実。ベルギー戦は2人の得点でリードを奪ってから守りに入り逆転負け。乾は「3点目を狙わないと、ああなるのがサッカーの怖さ」と涙目で振り返り、攻めの姿勢を最後まで貫けなかったことを悔やんだ。 (対比地貴浩)

中日新聞 東京新聞

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