7月3日

日本8強ならず 2−0からベルギーに逆転許す

ベルギーに逆転負けし、乾(14)を慰める原口。手前右は西野監督=2日、ロストフナドヌーで(岩本旭人撮影)

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 【ロストフナドヌー=ロシアW杯本社取材団】サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会第十八日は二日、当地で決勝トーナメント一回戦が行われ、二大会ぶりに一次リーグを突破した日本は、終了間際の失点でベルギーに2−3で逆転負けし、初のベスト8入りを逃した。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング六十一位の日本は後半立ち上がりに原口元気(ハノーバー)、乾貴士(ベティス)の連続得点で2−0とリード。だが、同三位のベルギーの猛攻撃を浴びて同点とされ、延長突入寸前の後半ロスタイムにカウンター攻撃から決勝点を奪われた。

 日本は二〇〇二年日韓大会、一〇年南アフリカ大会に続く三度目の決勝トーナメントに進出していた。

◆「全てを出した 悔いない」

 新たな歴史をつくる可能性は確かにあった。世界ランキング三位の強豪を追い詰め、苦しめた。しかし、2−2のまま延長戦突入と思われた4分間の後半ロスタイム。最後のワンプレーでベルギーの鋭いカウンターを受け、力尽きた。

 西野監督がぼうぜんとピッチを見つめる。「最後は数センチ、零コンマ何秒の違いでやられてしまう。その差はわずかであって、わずかでないのかもしれない」

 一次リーグの第二戦までと同じ先発布陣。あうんの呼吸で攻守を高めてきた日本は後半、真っ向勝負を挑んだ。開始3分、柴崎のスルーパスが相手守備陣を切り裂き、原口が先制。4分後には乾が香川との細かな連係から強烈なミドルシュートを決め、度肝を抜く。スタンドの日本サポーターの熱狂は最高潮に達した。

 だが、「2−0のスコアは危険」と言われる。猛反撃に出る相手が1点返せば、さらに勢いづくからだ。「最後の30分はまさに本気のベルギーだった。あそこまで崩されるとは」と監督。地力の差は覆い隠しようもなかった。

 「相手の圧力に耐えきれなかった」と原口。後半24分に失点。その5分後に同点にされ、迎えたロスタイム。日本のコーナーキックは一転、相手キーパーがボールをキャッチしてからわずか12秒後にゴールを陥れられた。「2点先行しながら逆転負けするのは自分たちの力不足」。主将の長谷部が声を振り絞った。

 大会前、昨年来の低調な成績と本番二カ月前の監督交代で期待は低かった。それでも実質一カ月の準備期間で、日本らしさを追求。狭いスペースで機動力と高い技術を何度も発揮していた。

 最後は衝撃的な結末。八強の扉は開かなかったが、長友は「自分たちの全てを出したので悔いはない。胸を張って(日本に)帰る」と前を向いた。 (ロストフナドヌー・浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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