7月3日

強豪底力 ピッチに涙 長谷部「力不足」

日本−ベルギー 後半終了間際、決勝ゴールを決められ、ピッチにうずくまる吉田選手(手前)と乾選手=2日、ロストフナドヌーで(共同)

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 ベスト8進出で刻むはずだった新たな歴史。そこに一歩及ばなかった。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表は二日(日本時間三日)、決勝トーナメント一回戦でベルギーと対戦、逆転負け。ピッチに倒れ込む選手たち。主将の長谷部誠選手(34)は険しい表情で「力不足」と振り返った。それでもサポーターは「夢を見ることができた」と健闘をたたえた。

 【ロストフナドヌー=共同】及ばなかった結果にピッチをたたき、立ち上がることができなかった。日本代表は初のベスト8進出を懸け、優勝候補の一角ベルギーと対戦。2点を先行したが、底力を見せた強豪に3点を奪い返され力尽きた。「全てを出し切った」「言葉を選ぶのが難しい」。勝利まであと一歩に迫った選手たちには、悔しさと虚無感が入り交じった。

 試合終了間際、ベルギーが試合を決める3点目を入れた直後、敗北を告げるホイッスルが響いた。体を張って攻撃を食い止め続けたDF昌子源選手(25)が膝をつき、ピッチを両手の拳で何度もたたく。2点目のゴールを決めた乾貴士選手(30)は涙を流し、座り込んだまま動けない。岡崎慎司選手(32)が歩み寄り、そっと肩を抱いた。

 前半は互いに無得点だったが「絶対に勝てる」と気合を入れた後半。原口元気選手(27)が右サイドを駆け上がって強烈なシュートを決め先制。さらに乾選手がミドルシュートで畳み掛け、ベンチの選手も歓喜した。その後は西野朗監督(63)が「本気のベルギーがそこにあった」と言ったように猛反撃に遭う。ヘディングで立て続けに失点し、ロスタイムに痛恨の3点目を奪われた。

 好守で再三ピンチを防いだ川島永嗣選手(35)の頬を涙が伝う。「多くの苦しみがあったが、チームとしてのスピリットを見せられたのは誇り」と振り返った。

 主将の長谷部誠選手(34)は「力不足」を敗因に挙げ「整理がつく時間が必要で、言葉を選ぶのが難しい」と険しい表情。髪を金色に染めて低迷した雰囲気を打開した長友佑都選手(31)は精いっぱいの笑顔を見せ「四年後に向け、進んでいきたい」と話した。

中日新聞 東京新聞

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