日本代表次期監督候補にクリンスマン氏 ドイツや米国で監督
日本代表の次期監督候補に挙がっている元米国代表監督のクリンスマンさん(共同) |
日本代表の次期監督候補に元ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマンさん(53)が挙がっている。複数の関係者が2日までに明かした。日本協会内では西野朗監督(63)続投を支持する声も多いが、日本サッカーや日本人の性格などを理解する海外の指導者も検討しており、クリンスマンさんを外国人監督候補の中では最上位にリストアップした。クリンスマンさんに近い欧州サッカー関係者によると、本人も「興味深いプロジェクト」と話すなど、就任に前向きだという。
日本代表の次期代表監督としてドイツの英雄が外国人監督候補の最上位にリストアップされた。日本協会幹部、欧州サッカー関係者の話を総合すると、水面下でクリンスマンさんを本格調査、本人も前向きだという。
クリンスマンさんは現役時代、西ドイツ(現ドイツ)代表の金髪イケメンストライカーとして活躍。1990年W杯イタリア大会、96年欧州選手権制覇に貢献した。
現役引退後は2004年に前任者の辞任を受けて、ドイツ代表監督に就任。科学的なデータを導入し、低迷していたチームの立て直しに成功。母国開催となった06年W杯で低評価だったチームを3位に導いた。名門クラブのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ1部)指揮を経て、11年には米国代表監督に。14年W杯ブラジル大会で16強入りを果たした。
W杯の実績だけでなく、ドイツ代表の名誉キャプテンにも選出されるなど人格者としても知られる。J1浦和で選手、監督経験のあるブッフバルトさんとは親交が深く、日本人とのパイプ役としてコーチ、またはアドバイザーとして入閣する計画もある。一方、そのブッフバルトさんのほか、ドナドニ元イタリア代表監督、アーセナル(イングランド)のベンゲル前監督らも日本代表監督に興味を示しているという。
日本協会内では、4月就任ながら短期間でチームをまとめ、決勝トーナメント進出を果たした西野監督の手腕を高く評価する声もあり、続投案も出ている。しかし、63歳の高齢を不安視する意見もあり、降板して技術委員長に復帰、緊急時の再登板に備える案もあるという。
2020年東京五輪の森保一監督(49)がA代表監督兼任をするプランは負担が大きすぎるとの判断で実現しない見込み。日本協会は7月20日に技術委員会を開き、今回のW杯を総括しつつ、次期監督の選定作業を行う。8月には新体制発足となる予定だ。
<ユルゲン・クリンスマン> 1964年7月30日生まれ、ドイツ南部ゲッピンゲン市出身の53歳。78年に地元クラブでプロ選手としてのキャリアをスタート。84年に移籍したシュツットガルトで頭角を表し、87〜88年シーズンには得点王に輝いた。その後も、インテル・ミラノ(伊)バイエルン・ミュンヘン(独)など各国名門クラブを渡り歩いた。西ドイツ(現ドイツ)代表では出場108試合で47得点。代表監督としては母国・ドイツ、米国を率いた。2016年に成績不振から米国代表監督を解任された。