7月3日

クロアチア紙一重8強 緊迫の止め合い スバシッチ制す

PK戦でデンマークの5番手のキックを止めたクロアチアのGKスバシッチ=ゲッティ・共同

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 【ロシアW杯本社取材団】第18日の2日、決勝トーナメント1回戦で、6度目の優勝を目指す1次リーグE組1位のブラジルがF組2位のメキシコを2−0で下し、8強入りを決めた。エースのネイマールが後半6分に先制ゴールを決めると、終了間際には途中出場したばかりのフィルミノの追加点をお膳立てした。

 第17日の1日は、A組2位の開催国ロシアと、D組1位のクロアチアがともにPK戦の末に準々決勝進出を果たした。ロシアは旧ソ連時代の1970年大会以来、クロアチアは初出場で3位と躍進した98年大会以来のベスト8。両チームは7日(日本時間8日)の準々決勝で対戦する。

 ロシアは2大会ぶりの優勝を狙ったB組1位のスペインと1−1でPK戦に突入し、4−3で制した。クロアチアとC組2位のデンマークも1−1でPK戦へ。クロアチアはGKスバシッチの好守が光り3−2で競り勝った。

 死力を尽くした末のPK戦は、エースの成否が勝負を分けた。クロアチアのGKスバシッチは先蹴りのデンマークの1番手、エリクセンの蹴るコースを完璧に読み切り、右に横っ跳びしてはじいた。絶大な信頼を集めるエースのキックを防いだ意味は重く、流れはクロアチアへと傾いた。

 クロアチアは延長後半にPKを獲得し、勝ち越す絶好のチャンスを得ていた。だが、司令塔のモドリッチのキックは相手GKのシュマイケルに防がれた。大黒柱の失敗によるチームの落胆は明らか。一方で、デンマークはシュマイケルの表情からも自信が見て取れ、精神的に優位に立ってPK戦に臨むことができた。

 互いにエースが失敗する重大さは身に染みて分かっている。スバシッチの好セーブは嫌な雰囲気を一掃し、チームを再び奮い立たせた。3番手で登場したモドリッチも守護神の奮闘を意気に感じ、今度はGKの動きを落ち着いて見定め、真ん中に蹴り込んだ。

 勢いに乗ったスバシッチはデンマークの4、5番手のキックを次々と止め、最後はラキティッチが熱戦に終止符を打った。歓喜に沸くピッチで、殊勲のスバシッチはモドリッチを見つけると両手を広げて仁王立ちで待ち構え、飛びついてきた小柄なエースとがっちり抱き合った。(共同)

中日新聞 東京新聞

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