7月2日

ロシア、PK制し8強 耐えて 開催国歓喜

スペインとのPK戦を制し、大喜びのロシアイレブン=モスクワで(ゲッティ・共同)

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 【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)は第17日の1日、モスクワなどで決勝トーナメント1回戦の2試合を行い、開催国のロシアが、2010年大会優勝国スペインとのPK戦を制して、旧ソ連時代の1970年以来48年ぶりの8強に進出した。7日の準々決勝で、デンマークをPK戦で破ったクロアチアと対戦する。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング70位のロシアは、同10位のスペインと1−1のまま延長でも譲らず、PK戦に4−3で勝った。同20位のクロアチアは、同12位のデンマークと1−1で延長を終え、PK戦に3−2で勝利。3位に入った98年以来のベスト8となった。 (記録は共同)

◆5バック 徹した120分

 誇らしげに振られるロシア国旗、鳴りやまない歌声。7万8000人以上の大観衆が詰め掛けた満員のルジニキ競技場が、地元ロシアの劇的なベスト8進出に揺れた。緊迫したPK戦ではGKアキンフェーフが2本のキックを止め、強敵のスペインを撃破。延長を含めて120分間、相手の猛攻に耐えた末につかんだ快挙だった。

 守備的な戦いに徹した。「これ以外の戦術だったら成功はなかっただろう」とチェルチェソフ監督。格上に対しボール保持で対抗できないのは織り込み済み。5バックで相手にスペースを与えず、スペインがボールを持てば前線のゴロビンも中盤に下がり「5−4−1」の形に。これこそ勝利への道と定め、隙を見せなかった。

 前半12分にオウンゴールで先制されても慌てない。ピケのハンドで得たPKを前半41分にジュバが蹴り込んで追い付く。延長に入ると反撃の余力もなく、自陣にほぼくぎ付けとなった。最後は土俵際で踏ん張った。

 五輪で2度の金メダルや、W杯でも1966年大会の4位など旧ソ連時代は輝かしい歴史がある。しかし、ロシアになってからは低迷期が長かった。準々決勝進出は開幕前の期待を上回る快進撃といっていい。それでも試合後に胸の内を問われた監督は、にこりともせずに言った。「簡単なことだ。次の試合のことを考えている」。ベスト8では満足できないと言わんばかりだった。 (共同)

中日新聞 東京新聞

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