7月2日

メッシ、4度目W杯も母国を王者に導けず

試合後、エムバペ(右)と健闘をたたえ合うアルゼンチンのメッシ(ゲッティ・共同)

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 敗北を告げる笛の音がスタジアム内に響くと、メッシは肩を落とし、ピッチに立ち尽くした。31歳の主将はほどなくチームメート、そして相手選手に歩み寄り、お互いの健闘をたたえるように握手を交わすが、表情はさえないまま。アルゼンチンを敗者に追いやったフランスの新鋭・エムバペとは肩を抱き合い、言葉を交わした。一時代の終わりと始まりを象徴するようなシーンだった。

 苦戦続きだった1次リーグの反省から、サンパオリ監督は「メッシがもっと多くボールに触れられるように」と先発からイグアインとアグエロを外した。だが、そんな指揮官の“配慮”にも、メッシはなかなか得点機をつくれない。1−1で迎えた後半3分、FKからのこぼれ球を強引に左足シュート。ゴール前でメルカドが触って一時、試合をひっくり返しもしたが、いい時間は長くは続かず、2−4からの必死の反撃も試合終了間際の1点にとどまった。サッカー大国である母国の期待に応えられず、同監督は「本当に心が痛む。選手はとても頑張ってくれたのに、結果を出せなかった」と終始、沈痛の面持ちだった。

 スペイン1部リーグの名門バルセロナで数々の栄冠を獲得。年間最優秀選手など個人でもあらゆる賞を手に入れてきたが、唯一届かなかったW杯での世界一。一度表明した代表からの引退を撤回してまで臨んだ4度目の大舞台だったが、またも中途半端な形で幕を閉じた。(原田公樹)

中スポ 東京中日スポーツ

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