7月2日

孤立メッシ1点止まり 19歳エムバペ 超速の狩人

試合後、健闘をたたえ合うフランスのエムバペ(左)とアルゼンチンのメッシ=ゲッティ・共同

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 試合を席巻したのは、フランスの19歳FWエムバペだった。アルゼンチンの天才メッシもかすむ活躍で、世代交代を強烈に印象づけた。

 前半11分、いきなりそのスピードがさく裂する。自陣でボールを奪うと、50メートル以上もドリブルで持ち込み、相手のペナルティーエリアまで進入。ファウルを誘ってPKを獲得し、先制点につなげた。

 後半、いったん逆転されたが、パバールの見事なシュートで追い付くと、エムバペは19分、相手ゴール前で味方のシュートのリバウンドを拾って角度のないところから左足で決めた。4分後にはGKから始まった流れるようなカウンターに最後の場面で登場し、右足で流し込んで試合を決定づける4点目を奪った。

 決勝トーナメントで10代の選手が1試合で複数得点を挙げたのは、1958年のスウェーデン大会のペレ(ブラジル)以来60年ぶりだと水を向けられると、「名誉なこと」とはにかみながら答えた。

 カメルーン出身の父とハンドボール選手だったアルジェリア人の母の間に、フランスがW杯を初制覇した98年の12月に生まれ、自国優勝の興奮を知らずに育ったエムバペ。

 底知れない才能の片りんを見せた若者が、フランスを20年ぶり2度目の優勝に導くか−。(カザン・大住良之=サッカージャーナリスト)

中日新聞 東京新聞

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