6月30日

長谷部「真実は結果の中にしかない」 ボール回し批判は承知

後半、自陣でボールを回す長谷部(岩本旭人撮影)

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 結果は手段を正当化する−。日本の主将、長谷部は終盤の試合運びへの批判は承知で「一番は結果。その結果を得られたことは非常にうれしい」と淡々と言葉を紡いだ。

 0−1の後半30分すぎ。ボルゴグラードから約800キロ離れたサマラで、コロンビアが先制し、ポーランド先制でH組3位に転落していた日本が2位に浮上した。そんな情報が入り、ベンチ内の控え選手間で議論となった。スコアがこのままなら突破だったが、宇佐美は「でも『セネガルが1点入れたらどうする。敗退やろ』『(点を取りに)いかなあかんやろう』っていう話もあった」と内情を明かした。

 一方、ウオーミングアップ中の長谷部はゴール裏へ走り、プレーが途切れたときにピッチ内の長友へ現状を伝えた。「コロンビア先制(このままでも2位突破できる)。イエロー(警告)をもらうな。みんなに伝えて」。ほどなく西野監督も「このままでいい」と決断した。

 日本は「ドーハの悲劇」と呼ばれるイラク戦や2006年W杯ドイツ大会・オーストラリア戦のように、ピッチ上の選手が「守る」のか「攻める」のか意思統一できずに失点し、目的を果たせないなど痛い目に遭ってきた。だが、今回は迅速かつ明確な意思統一と、大胆なボール回しで失点せず、警告ももらうことなく任務を完遂した。

 長谷部は「勝負に徹した。いろんな議論があると思うが、真実は結果の中にしかない」。結果に固執したやり方を恥じてはいなかった。 (原田公樹)

中スポ 東京中日スポーツ

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