6月29日

ドイツ屈辱、韓国金星

韓国−ドイツ 後半48分、ゴールを決める韓国の金英権(左)=カザンで(ゲッティ・共同)

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 前回覇者ドイツが同国史上初の1次リーグ敗退となった。27日のF組最終戦で韓国に0−2で敗戦。1勝2敗で同組最下位となり、17大会連続の1次リーグ突破を逃した。スウェーデンがメキシコを3−0で下し、勝ち点6の同組1位で決勝トーナメントに進出。勝ち点で並んだメキシコが得失点差で2位通過となった。

 ドイツは不屈ではなかった。窮地に立たされても、気迫に欠けた戦いが続いた。主将のGKノイアーは「闘志が不足していた」と、韓国戦の敗戦を受け入れるしかなかった。

 26本のシュートを浴びせ、何度か決定的な場面もつくった。だが、1次リーグ突破の可能性が低くなっていた韓国をひるませることさえできなかった。

 組織的なパスサッカーを軸に2014年ブラジル大会を制した後、16年欧州選手権で4強。主力を温存した昨年のコンフェデレーションズ杯は優勝と近年の成績は安定していた。ベテランが抜けても才能ある若手が次々と現れ、戦力は充実していたかに見えた。

 だが今大会は3戦でたった2得点。敵陣の深いところで攻撃が連動せず、22歳のFWウェルナーや23歳のDFキミヒら期待株の存在感が希薄だった。W杯通算最多16得点のクローゼ、攻守の要シュバインシュタイガー、後方からの突破力で鳴らした主将ラームが抜けた穴は大きかった。

 予兆はあった。W杯欧州予選10試合で43点と驚異的な得点力を示した昨年10月以降、6度の親善試合で勝ったのはサウジアラビア戦だけ。ボールを支配しながら決定力が低かった。大会前には、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティーでリーグ優勝に貢献した進境著しいアタッカー、サネの代表漏れが物議をかもした。

 「中盤でミスがあり、相手のカウンターを許した。いつものプレーができなかった。ドイツは敗退に値する」。レーウ監督は歴史的な敗退を淡々と振り返った。

 外国メディアから「ドイツは暗黒時代か」と厳しい質問が飛ぶと、レーウ監督は「そうは思わない。いい若手もいるし、良くなるために前に進んでいきたい」。代表監督として22年まで契約を延長したばかり。ドイツメディアは大会後も留任すると報じているが、盤石ではない。

 ノイアー、ミュラー、エジルら2010年南ア大会(3位)からプレーする選手たちも、次の保証はない。一つの時代が終わりを告げた。

中スポ 東京中日スポーツ

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