6月29日

大胆采配 決勝Tへ課題 先発6人入れ替え セットプレーから失点

 【ロシアW杯本社取材団】第15日の28日、日本は1次リーグH組の最終戦でポーランドと対戦し、0−1で敗れたものの、勝ち点4で並んでいたセネガルを順位を決める規定で上回り、2位で2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たした。H組のもう1試合はコロンビアが1−0でセネガルを制し、勝ち点6で首位通過を決めた。日本は7月2日にイングランドかベルギーのG組首位チームと8強を懸けて戦う。第14日の27日は、E組で史上最多を更新する6度目の優勝を狙うブラジルが首位で13大会連続の1次リーグ突破。スイスが2位で通過した。ブラジルはセルビアを2−0で退けて勝ち点を7に伸ばし、スイスはコスタリカと2−2で引き分けて、勝ち点5とした。決勝トーナメント1回戦は7月2日にブラジル−メキシコ、翌3日にスウェーデン−スイスが顔を合わせる。

 眼前のポーランドに今大会初黒星を喫しながらも16強入りを決めた。西野監督は「チームとすれば本意ではない」と本音を漏らした。フェアプレーポイントにまでもつれ込む薄氷の突破。「ベンチワーク、ピッチの選手たちの対応は難しかった。これからまた強いチャレンジ(精神)を持って入っていきたい」と決勝トーナメントを見据えた。

 後半30分すぎ、日本の攻めが急にスローダウンした。0−1で負けているにもかかわらず、長谷部や吉田が後方からゆっくり回す。他会場の結果を見ながら勝ち点4のまま、セネガルより優位に立つフェアプレーポイントでの勝ち抜けを狙った。

 引き分けでも決勝トーナメント進出が決まる状況が暗転したのは後半14分。自陣のFKから放たれたボールは、ノーマークのベドナレクへ。日本の選手は誰も触れることができず、シュートはゴールに吸い込まれた。

 16強をかけた一戦。西野監督はコロンビア、セネガル戦から先発6人を入れ替える大胆采配に打って出た。ボルゴグラードの酷暑をフレッシュなメンバーの機動力で乗り切る戦略は、失点するまでうまくはまっていた。

 リスクを冒さずにボールを運ぶ安全運転を心掛けながら、守備に重心がかかりすぎないようにDFラインを押し上げる。最前線の岡崎、右サイドの酒井高らがパスコースを限定する守備でボールの出どころを抑え、エースのレバンドフスキに良い形で前を向かせなかった。

 だが強化試合で失点を繰り返してきたセットプレーの守備は修正ができず、他会場の結果に委ねるしかなかった。

 2大会ぶりの決勝トーナメント進出。土壇場でしたたかさを見せ、前評判を覆した。 (浅井俊典)

<西野朗・日本代表監督の話> チームとすれば本意ではないが、勝ち上がる中での戦略。こういう形も成長していく中での一つの選択だと思う。他会場の流れもあり、多様性が常に問われる試合だった。ピッチの上の選手の対応は難しかったと思う。これからまた、強いチャレンジをしていきたい。

<長谷部誠主将の話> 最後は見てくださった方にはもどかしいサッカーだったと思うが、これが勝負の世界。次のステージに行けたことは非常に大きい。

 ベスト16でも日本中の力を合わせて戦っていきたい。

中日新聞 東京新聞

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