6月28日

朗らか西野流 今夜大一番 

ポーランド戦に向けた練習を見守る西野監督(右)。左は大迫=27日、ボルゴグラードで(岩本旭人撮影)

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 【ボルゴグラード=浅井俊典】サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本は二十八日午後五時(日本時間午後十一時)から、当地で決勝トーナメント進出を懸けたポーランド戦に臨む。的確な采配でチームの躍進を支えるのは、四月に就任したばかりの西野朗監督(63)だ。

 「朗(あきら)」の名が示すように朗(ほが)らかな人柄と勝負師の一面を併せ持つ。会見の名物になっているのが、同時通訳のイヤホンを同席する選手に着けてもらう光景。装着方法が分からず、主将の長谷部誠らに助けてもらうなど、選手との関係は良好だ。

 前任者のハリルホジッチ氏が厳しい教官タイプだとすれば、西野監督はおおらかさで選手を包み込む。選手が出し合った意見を最後に集約する手法を採り、本田圭佑も「意見を受け入れてくれるのが、西野さんの強み」と話す。

 現役では早大時代から日本代表に選ばれ、日立製作所(現J1柏レイソル)でプレー。日立では人事教育部に配属され、東京のオフィスと練習場を往復する毎日を経験した。端正な顔立ちから、会社説明会を任された大学では「女子の志望者が増えた」と自ら振り返る。

 指導者に転身後は、一九九六年アトランタ五輪でブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こした。柏やG大阪、名古屋などで指揮を執り、J1最多の通算二百七十勝を誇る。

 勝負勘は日常から養うと言い、例えば、複数のエレベーターを待つ際、どの扉が開くかを予想する。人生で二回だけ買ったという馬券はいずれも万馬券という強運の持ち主。選手同士の相性は、遠征先の朝食会場でのやりとりなどを観察して判断しているという。

 日本はポーランドに勝つか、引き分けるかで、一次リーグ突破を果たす。敗れても同時刻に行われるセネガル−コロンビア戦でセネガルが勝てば、十六強入りが決まる。暑さや疲れを考慮し、先発メンバーの入れ替えを示唆する西野監督は「まだまだチームの力は残っている。さらに感動を与えるゲームをしたい」。

中日新聞 東京新聞

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